AMD、サーバー市場向けにARMの64ビット・テクノロジーを基盤とする新プロセッサーの開発を発表

2012/10/30

AMD(米国本社:米カリフォルニア州サニーベール、社長兼CEO:ロリー・リード)は、より幅広いマーケットに対応するための戦略的な取り組みの一環として、クラウドおよびデータセンター用サーバー向けに従来のx86プロセッサーに加えて64ビットのARM®テクノロジーを基盤とする新しいプロセッサーを開発することを発表しました。AMD初となるARMテクノロジー・ベースのプロセッサーは、64ビットのマルチコア・システム・オン・ア・チップ(SoC)設計手法に基づく高度な統合がなされる予定で、すでに大規模なデータセンターの大半で採用され最新のコンピューティング体験をもたらしている高密度の省電力サーバー向けに最適化されます。AMDは、このARMテクノロジー・ベースのAMD Opteron™プロセッサーの生産を2014年に開始することを目指しており、業界トップレベルのハイパフォーマンス・ファブリックであるAMD SeaMicro Freedom™スーパーコンピュート・ファブリックとの統合も実現する予定です。

AMDの新しい設計イニシアチブでは、高密度のクラウド・コンピューティング・ソリューションにおいて高まり続けるワットあたりのパフォーマンス要件への対応に取り組んでいます。2003年に業界初のメインストリーム64ビットx86サーバー・ソリューションとなるAMD Opteronプロセッサーを発表した時と同様に、AMDはx86プロセッサーと64ビットARMプロセッサーのギャップを埋めるエコシステムを提供する唯一のプロバイダーとなります。このエコシステムにより、これまでにないレベルの柔軟性がもたらされ、幅広いエンタープライズ・ワークロードに最適なパフォーマンスと電力効率が実現します。

AMD米国本社社長兼CEOのロリー・リード(Rory Read)は次のように述べています。「AMDは、AMD64によりデータセンターの64ビット・コンピューティング・アーキテクチャーへの移行をリードしてきました。そして、今回の戦略により提供される、x86アーキテクチャーおよびARMアーキテクチャーの両方を基盤とする省電力64ビット・サーバー・プロセッサーの幅広い導入を促進することで、AMDは業界の大きな転換点をいま一度リードしていくことになります。ARMとのコラボレーションを通じて、AMDは64ビット・プロセッサーに関する深い知識や業界最先端のAMD SeaMicro Freedomスーパーコンピュート・ファブリックをはじめとするその豊富なIPポートフォリオを活かし、今日のデータセンターに最適な最高レベルの柔軟性を備える完成された演算処理ソリューションを提供していきます。」

ARMのCEOであるウォーレン・イースト(Warren East)氏は次のように述べています。「高まり続ける顧客からの要求を満たすために、この業界では市場を横断する革新が常に求められています。ARMそして我々のパートナー企業は、このニーズに応えるために省電力性をさらに高めたコンピューティング・ソリューションの実現に取り組んでいます。ARMとのコラボレーションにより、AMDはAMD Freedomスーパーコンピュート・ファブリックをはじめとする同社の膨大なITポートフォリオとARM 64ビット・プロセッサー・コアを活用してこのようなニーズに応える優れたソリューションの提供が可能となり、業界に変革をもたらすことになるでしょう。」

データセンターの爆発的な増加に伴い、演算処理を最適化するためのさまざまなソリューションが登場しています。AMDは、AMD Opteron x86 CPUベースのソリューション、ヘテロジニアス・システム・アーキテクチャー(HAS)を活用する新しいサーバークラスのAPU(アクセラレーテッド・プロセシング・ユニット)、そして今回発表した新しい64ビットARMベースのソリューションなど、豊富な選択肢を備えるコンピューティング・エコシステムを提供しています。

ARMとの今回の戦略的パートナーシップは、新興のメガデータセンター向けの優れたソリューション提供を強化するAMDの戦略が、次のフェーズに進んだことを意味します。2012年3月、AMDは高密度/省電力サーバーのリーダー企業であるSeaMicroの買収を発表しました。本日の発表に伴い、AMDはAMD SeaMicro Freedomファブリックを同社の最新鋭のARMおよびx86ベース・プロセッサーとなるAMD Opteronに全面統合する予定です。これにより、数百個、さらには数千個のプロセッサーのクラスタリングが可能となり、最高レベルの省電力性を備えたソリューションが実現することになります。

Insight 64のリサーチ・フェローであるネイサン・ブルックウッド(Nathan Brookwood)氏は次のように述べています。「過去10年以上にわたり、コンピューター業界はPCおよびサーバー用のx86、そしてモバイル・デバイス用のARMという2つの主要なプロセッサー・アーキテクチャーが中心となっていました。これから先10年間は、これらの実績あるアーキテクチャーの提供ベンダー各社が、他社により占有されている市場エリアにおいて自社のプレゼンス拡大を模索する時代になります。今回打ち出した方向性により、AMDはx86およびARMアーキテクチャーの両方を基盤とする製品提供が可能となり、他の半導体ベンダーの追随を許さない優位性を確立することになるでしょう。」

AMDが本日サンフランシスコで開催したイベントでは、Amazon、Dell、Facebook、そしてRed Hatの代表者がパネルディスカッションを実施し、AMDが提供予定のARMサーバー・ソリューションによりもたらされるビジネス・チャンスについて意見を交わしました。

参考資料

  • AMD bridges the x86 and ARM ecosystems for the data center announcement press resources

AMDについて

AMD(NYSE:AMD)は、お客様やパートナー企業と緊密に協力することに注力し、職場で、家庭で、そして遊びの場において、次世代コンピューティングおよびグラフィックス・ソリューションを牽引する革新的技術を提供する企業です。日本AMD株式会社は、AMDの日本法人です。詳細については、http://www.amd.com (英語)またはhttp://www.amd.co.jp (日本語)をご覧ください。

AMD、AMD Arrowロゴ、またそれらの組み合わせはAdvanced Micro Devices、Inc.の商標です。その他の名称は情報提供のみを目的としたものであり、それぞれの所有権者の商標である場合があります。

業界からのコメント

Dell

Dell、データセンター・ソリューション・グループ担当バイスプレジデント兼主席フェロー、ジミー・パイク(Jimmy Pike)氏

「今回発表された64ビットARMソリューションの開発計画により、AMDは同社のエンタープライズCPUプロバイダーとしての豊富な知識と実績をARMエコシステムにもたらすことになります。これによりARMは、Webのフロントエンド・サーバーやHadoop環境で稼動するノードなどの領域で重要な役割を担う企業としてのポジションが約束されたことになります。AMDは、膨大なスケールアウト型のワークロードを実行する省電力サーバー・プラットフォームが能力を発揮する、ワット当たりおよび価格当たりのパフォーマンス領域において大きな価値を提供することが可能となります。64ビットARMソリューションの提供開始は、企業におけるこの優れたテクノロジーの導入加速に不可欠なマイルストーンとなるでしょう。」

HP

HP、ハイパースケール・ビジネス・ユニット、業界標準サーバー/ソフトウェア担当バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャー、ポール・サントラー(Paul Santeler)氏

「日々過酷になるワークロードやビジネス要件、そして情報の爆発的な増加に対処するために、企業は最適なパフォーマンスと消費電力の削減を両立可能な高い柔軟性を備えた演算処理ソリューションを求めています。HP Pathfinder Programの一環として、AMDとHPは10年におよぶパートナーシップを今後も継続し、高度な省電力性と高密度化を実現するサーバー・テクノロジーを基盤とするリッチなエコシステムの開発を通じて、革新的な省電力コンピューティングの実現を目指します。」

Red Hat

Red Hat、チーフARMアーキテクト、ジョン・マスターズ(Jon Masters)氏

「ワークロードの急激な過酷化に伴い、ハイパースケール・コンピューティング向けエコシステムの具現化が始まろうとしています。Red HatとAMDは、このような業界動向の第一線でその能力を発揮してきました。そして今日、ARMベースの次世代64ビット・アーキテクチャーであるARMv8のサポートに関して両社が協業していくことを発表します。これは両社のコラボレーションの第一段階に過ぎません。AMDは、新興のARMベース・サーバー市場において大きな影響を持つ強力な選択肢となることを目指しています。そのAMDと、そして同社のエコシステムにおいて、Red HatはエンタープライズLinuxの豊富な専門知識を共有できることを大変嬉しく思っています。この取り組みの一環として、Red HatのARM担当チームは、有志のコミュニティーが開発に取り組んでいるFedoraの今後のリリースでAMDのプロセッサーをサポートすることを大いに期待しています。」

脚注