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Advanced Micro Devices, Inc. (AMD) vs Intel Corporation (インテル) AMDによる訴状の要旨
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注:本資料は提訴の要旨である。本要旨は訴状の一部を構成するものではなく、読者の便宜を図ることのみを目的として作成されたものである。
概要
2005年6月27日、AMDはデラウェア州ウィルミントン連邦地方裁判所に対し、独占禁止法違反でインテルを提訴した。訴状は、インテルがどのようにしてx86マイクロプロセッサ市場において違法な独占力を維持したかについて、詳細に述べたもので、特に以下の行動を挙げている。
- デル、ソニー、東芝、ゲートウェイ、日立といった大手顧客に対し、インテルとの独占的な取引を強要し、その見返りとして、現金の提供、差別的価格の設定、あるいはAMDの排除を条件とする販売奨励金の支給等を行った。
- NEC、Acer、富士通といったその他の大手顧客に対し、AMDからの購入の著しい制限または完全な中止に同意することを条件に、リベート、引当金及び市場開拓資金(MDF)を支給する、部分的独占契約の締結の強要等を行った。
- 大量購入によって効力を発する差別的かつ遡及的なリベート・システムを確立しAMDからまとまった量のプロセッサを購入する顧客の選択の自由を意図的に奪った。
- 特に、ビジネス向けデスクトップなどの戦略的市場セグメントにおいて、AMDのコンピューティング・プラットフォーム導入に対する報復の実行を顧客にほのめかした。
- Best BuyやCircuit Cityなどの主要小売業者にノルマを課し、大量かつ独占的にインテル製品搭載コンピュータの在庫を抱えるように仕向け、顧客の選択の自由を故意に制限した。
- PCメーカー及び技術パートナーに対し、AMD製品の投入や販促活動を拒否するよう強要した。
- AMDを市場で不利な立場に置くことを主要な目的として、技術標準及び製品について業界に圧力をかけ、市場支配力を濫用した。
インテルの経済的強制力は、ヒューレット・パッカードのような大手コンピュータ・メーカあるいはOEMから、小規模なシステムビルダー、販売代理店、Circuit Cityのような小売業者に至るまで、x86エコシステムのあらゆるレベルの顧客に及んでいる。すべての顧客が、AMDを排除するか、差別的な価格設定や不利な条件に甘んじるか、という同じ選択を迫られている。日本政府は、2005年3月8日、こうした競争上の弊害を認めた。すなわち、公正取引委員会がAMDをターゲットとする排他的不当行為についてインテルに対して排除勧告を行ったのである。インテルは、本件について異議申し立てを行わなかった。
インテルは、その排他的行為を通じて、競争を回避し、AMDがマイクロプロセッサの販売において価格及び品質によってインテルと競争する機会を奪った。この重要な業界における競争の不在の代償は大きい。すなわち、技術革新の意図的制限、価格の高騰、及びニーズにあった製品を選択する顧客の権利の喪失である。インテルの行為は連邦シャーマン独占禁止法第2条の独占規定に違反するものであり、かつ、非公開リベートならびに経済的見込利益の不当な妨害を禁止するカリフォルニア州法の規定にも違反する。したがって、AMDは1)インテルの反競争的行為の差止め、2)シャーマン法に基づく三倍賠償、3)カリフォルニア州法に基づく懲罰的損害賠償を求める。
2003年、AMDはインテルを技術的に引き離し始め、今や、AMDのマイクロプロセッサはインテル製品よりも優れていると広く考えられている。AMDは、x86ベースで下位互換性を備えた業界初の64ビット・チップ、AMD Opteronプロセッサの投入によって著しい躍進を遂げた。コンピュータ業界は、下位互換性のある64ビット・コンピューティングの発表をAMDの技術的勝利であると讃えた。2005年4月、AMDはインテルがスポンサーを勤める業界のアワードで、「Processor Company of 2005 」(2005年の最も優れたプロセッサ企業)に選ばれた。長期にわたりリーダーシップを誇っていた技術的競争において危機にさらされたインテルは、市場支配力を利用し、 AMDの高性能で低コストのマイクロプロセッサへの移行を阻止するべく、顧客にプレッシャーを与えた。
インテルの違法行為の概要
以下はインテルの違法行為のごく一例である。
- OEMとの排他的または準排他的取引
デル デルは、インテルの短所及び顧客がAMDソリューションを求めていることを認めつつも、AMDのマイクロプロセッサを購入したことがない。業界で報じられているところに寄れば、インテルは金銭の提供ならびに差別的価格設定とサービスによって、デルに対する独占販売権を買い取ったという。デルの幹部は、もし一つでもAMD製品搭載品の発売を決定した場合、インテルの報復に備えて資金を計上しなければならなくなることを認めている。
日本 1999年、AMDは、アメリカを含めた全世界にPCを輸出している日本のOEMに対するインテルの販売に食い込み始めた。2002年、インテルはソニー、東芝及び日立に全世界における独占販売権と引き換えに値引きまたは販促サポートの名目で数百万ドルを支払った。また、インテルは、NECと富士通にも両社のビジネスにおけるAMDのシェアを制限する等の目的のために数百万ドルを支払った。
- 製品ライン、チャネル及び地域的制限
インテルは最も収益性の高い製品ライン、あるいは、コスト・パフォーマンスにおけるAMDの優位性がもっとも活かされるチャネル販売からAMDを排除するために、さらに制約的な独占販売権もOEMから買い取った。たとえば、インテルはHPおよびIBMにおいてビジネス用デスクトップ製品を開発しようとするAMDの試みを妨害した。
- 排他的リベート、略奪的価格設定
インテルはOEMに対して、排他的または準排他的取引を成立させ、有意義な競争からAMDを故意に排除するリベート・システムを設定している。販売者が「数量割引」を提供することは多くの業界で行われるが、インテルのリベート方式はこれとは著しく異なり、競争を実質的に減殺するものである。インテルの「浸透」リベートまたは「忠誠」リベートは、効率性やコスト削減に基づくのでなく、AMDとの直接的な価格競争を避け、インテルの市場における地位を利用するものである。インテルは顧客の必要量のほとんどを占める購入量に対して提供されるるように意図的にリベートを設定している。インテルの遡及的値引は、マイクロプロセッサの追加購入価格を同等以下に設定し、AMDがそのビジネスにおいて競争できないように図るものである。
- 報復の脅威
インテルはOEMがAMDと取引するのを防ぐため、伝統的な脅迫、威嚇、「狙い撃ち」をも利用する。たとえば、2000年後半、コンパックのCEOマイケル・カペラスは、コンパックとAMDとの取引が多いことを理由に、インテルがコンパックがどうしても必要としていたサーバ用チップの出荷を取りやめたと語っている。カペラスは「頭に拳銃を突きつけられている」ため、 AMDのマイクロプロセッサの購入を中止しなければならないと、AMD幹部に通知した。また、NECの欧州子会社であるNEC-CIによれば、欧州及び日本以外のアジア地域を担当しているが、AMDとビジネス用デスクトップ・セグメントで取引していると、NEC-CIを「滅ぼす」だろうとインテルの幹部が告げたという。インテルはNEC-CIの小売業者に対し、NEC-CIがAMDと取引をしていることで、NEC-CIの製品供給能力に問題が生じるだろうと伝えた。NEC-CIがプレッシャーに抵抗すると、インテルは差別的価格を引き上げた。
- AMD製品発売の妨害
インパクトのある製品を成功裡に発売することは、コンピュータ専門家の間から信頼を得るために不可欠である。新しいマイクロプロセッサの潜在顧客であり、市場から信頼を得る鍵となるのはそうした専門家だからである。こうした製品発売の重要性を認識していながら、インテルはAMD製品の批判に全力を尽くした。たとえば、2003年、インテルのCEOクレイグ・バレットは、AMDのAMD Athlon 64の製品発表を公式にサポートすると「深刻な結果」が待っていると、Acerの会長、社長兼CEOを個人的に脅迫するために台湾まで出かけた。バレットの訪問は、インテルがAcer に対して負担していた1500-2000万ドルの市場開拓資金の支払いが何の説明もなくが延期されたのと同時だった。その結果、Acerは米国及び台湾での発売を撤回し、販促用資料を回収し、同社が準備したビデオのAMDによる使用を禁じ、AMD Athlon 64搭載コンピュータの発表を遅らせた。
- 小売業者をターゲットにした排他的行為
AMDはドイツにおいて、欧州全域に小売店を展開しドイツのリテール販売の35%を上げているMedia Marktから完全に閉め出されている。インテルはMedia Marktに年間1500-2000万ドルのMDFを提供しており、1997年以降、Media Marktはインテル製品搭載コンピュータを専門に扱っている。同様に、アメリカでもインテルは、Best Buy、Circuit Cityなどの小売業者に対し、 AMD製品搭載品の店頭販売スペースだけでなく、AMDプラットフォームの販売によって得る売上率を20%に限定することに同意することを条件にMDFを支払っている。AMD製品のシェアが20%を超えると、その小売業者に対するインテルの販促支援の33%が、全製品についてカットされる。
インテルの違法行為の影響
技術的に先行しているにもかかわらず、AMDの市場シェアはインテルの排他的行為により故意に妨害され、伸びていない。1999年以降、過去8年のうち7年間にわたり、マイクロプロセッサ販売ユニット数において最低80%のシェアをインテルが獲得しているのに対し、AMDの全世界でのシェアは15%前後に留まっている。AMDのシェアを制限することで、インテルはAMDが主要顧客に対する有力なサプライヤーとなるために必要な規模に成長するのを妨げている。その結果、マイクロプロセッサ業界は引き続きインテルの支配下にあって独占的価格の支払いを余儀なくされ、インテルの強圧的戦略にさらされ、AMDからの購買に対する意図的な制約に服従している。インテルの行為の代償は、結局は、割高なPC価格とコンピュータ製品選択肢の喪失という形で、消費者が支払わされているのである。そして最終的には、真の競争が存在する市場によってのみもたらされる技術革新の欠如により、社会全体の悪化につながる。
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