革新的な設計

"Zen" は、ハイブリッド マルチチップ アーキテクチャを備えており、AMD がイノベーションへの道を切り開き、革新的かつハイパフォーマンスな製品を一貫して提供することを可能にします。AMD は、"Zen" によって、コンシューマーとコマーシャル両方のお客様に向けた多種多様なデスクトップ、サーバー、モバイル プロセッサにおいて、業界をリードするパフォーマンス、スケーラビリティ、効率を提供できるのです。 

メリット

性能

"Zen" は、将来を見据えたワークロードに対応する同時マルチスレッドをサポートするコア エンジン、実質的にレイテンシを低減する最先端のキャッシュ システムとニューラルネット予測機能、ワットあたりのパフォーマンスで圧倒的なリーダーシップを発揮できるよう追求された効率性を備えており、継続的に向上させることが可能なスケーラブルなアーキテクチャです。 

スケーラビリティ

AMD は x86 プロセッサにチップレットという最先端のアイデアを採用しました。大型のモノリシック ダイを構築する代わりに、AMD はチップレットと呼ばれるプロセッサ構築ブロックを使用する戦略に投資したのです。それぞれのチップレットに多数の "Zen" ベース コアを含め、より多くのチップレットを 1 つのパッケージに追加することで、パフォーマンスの高いプロセッサ モデルを生産できます。  

効率 

AMD におけるコアの設計とは、あくなき最適化の継続です。コアと I/O の開発プロセスを切り離して、CPU のダイを小型化し、パフォーマンスや電力効率のバリアントを最適化しています。各トランジスタの配置と、プロセッサからプラットフォームまでのマイクロワット単位の電力配分に、AMD の効率へのこだわりが現われています。

世代

AMD Ryzen™
デスクトップ プロセッサ AMD Ryzen 1000 AMD Ryzen 3000 AMD Ryzen 5000 AMD Ryzen 7000/8000 AMD Ryzen 9000
コア アーキテクチャ "Zen" "Zen 2" "Zen 3" "Zen 4" "Zen 5"
CPU プロセス テクノロジ 14nm 7nm 7nm 5nm/4nm 4nm
前世代と比べて IPC が向上 該当なし 約 15%2 約 19%3 約 13%1 約 16%10
AMD EPYC™
製品 AMD EPYC 7001 AMD EPYC 7002 AMD EPYC 7003 AMD EPYC 9004、8004 AMD EPYC 9005
コア アーキテクチャ "Zen" "Zen 2" "Zen 3" "Zen 4" と "Zen 4c" "Zen 5" と "Zen 5c"
CPU プロセス テクノロジ 14nm 7nm 7nm 5nm 4/3 nm
前世代と比べて IPC が向上 該当なし 約 24%4 約 19%5 約 14%6 約 37% (ML/HPC)
約 17% (エンタープライズ)11

"Zen" アーキテクチャの進化

歴史にその名を残した "Zen" アーキテクチャは、プロセッサの設計アプローチに変革をもたらしたテクノロジです。これにより、以前の AMD 製品からは想像できないほどに性能が向上したプロセッサが実現しました。AMD Ryzen™ プロセッサが市場デビューを飾ったのは 2017 年のことで、ゲーミング、生産性、クリエイティビティに大きな影響を与えました。"Zen" アーキテクチャは、コンシューマー向けのデスクトップ プロセッサやモバイル プロセッサ向けの AMD Ryzen™ から、サーバー向け AMD EPYC™、ワークステーション向け AMD Threadripper™ に至るまで、現在入手可能なすべての AMD プロセッサに搭載されています。すべては "Zen" から始まったのです。

"Zen 5" アーキテクチャ

最先端の 4 nm 製造技術が採用された AMD Ryzen 9000 シリーズ プロセッサは、世界で最高級の性能と効率性を備えたデスクトップ プロセッサのラインナップです。改良点には、分岐予測の精度とレイテンシの向上、より広くなったパイプラインとベクトルによるスループットの向上、設計全体のウィンドウ サイズの拡大による並列性の向上があります。その結果、シングルスレッド IPC は世代比で最大約 16% 向上しています。

AMD EPYC™ 9005 プロセッサは、最新世代の EPYC であり、前世代と比較して 2 桁の IPC 性能向上を実現しています。11 革新的な "Zen5" コア アーキテクチャを活用し、データセンター、クラウド、AI のワークロードにおいて、卓越した効率性を発揮します。多様なビジネスニーズに応えるため、競争力のあるコスト ポイント、x86 互換性、そして幅広いコア数、周波数、キャッシュ容量、TDP レベルにわたる豊富な機能を提供します。

"Zen 4" アーキテクチャ

AMD Ryzen 7000 シリーズ プロセッサは、業界をリードする 5 nm 製造技術により生み出された AMD Ryzen であり、最大で 5.7 GHz7 という驚異的なクロック スピードを発揮します。フロントエンド、実行エンジン、ロード/ストア階層、コアごとに世代比で 2 倍になった L2 キャッシュなど、重要な部分の大幅な設計変更のおかげで、チップは前シリーズに比べて最大 13% の IPC 増加を実現しました。前世代からさらに向上した 800 MHz クロックと合わせて、最大 29% 高いシングルスレッド パフォーマンスを達成できます。

第 4 世代 AMD EPYC プロセッサは最大 128 個の "Zen 4" または "Zen 4c" コアを搭載し、卓越したメモリ帯域幅と容量を備えています。  革新的な AMD チップレット アーキテクチャは、さまざまなコンピューティング ニーズに最適化された高性能で電力効率に優れたソリューションを実現します。これらのコアは、非常に複雑な機械学習と推論アプリケーションのサポートを新たに備え、前世代から大幅な進化を遂げています。

"Zen 3"

"Zen 3" は AMD Ryzen 5000 シリーズ デスクトップ プロセッサで初登場し、最大クロック スピードを 4.9 GHz にまで引き上げました。総合的に設計が改良され、IPC がさらに 19% 向上しました。また、新しい "Unified Complex" 設計に移行し、コア間のレイテンシとコア/キャッシュ間のレイテンシが劇的に低くなりました。"Zen 2" の 2 倍の L3 キャッシュに直接アクセスできるようになったため、特に PC ゲームのようなレイテンシに敏感なタスクには、この変更による大きなメリットがもたらされました。

"Zen 3+" になってさらに新しい 6 nm 製造プロセスに移行しました。モバイル ユーザーに焦点を絞り、特に効率性の向上に力を注ぎ、性能とワットあたりのパフォーマンスを向上させています。この性能向上は、モバイル向け AMD Ryzen 6000 シリーズ プロセッサで実装されています。このプロセッサを搭載したノート PC は、バッテリ駆動状態で最大 29 時間の動画再生が可能です。8 さらに、薄型軽量でありながら、卓越したパフォーマンスを発揮します。

"Zen 2"

Ryzen 3000 シリーズ デスクトップ プロセッサではコアの大幅な設計変更の恩恵を受け、L3 キャッシュ容量 (最大 32 MB)、浮動小数点スループット (256 ビット)、OpCache 容量 (4K)、Infinity Fabric 帯域幅 (512 ビット) など、2 倍の向上を達成しています。また、新しい TAGE 分岐予測機能も備えています。これらの改善はすべて、15% という大幅な IPC 向上に貢献し、新しい 7 nm 製造ノードの恩恵を受けたこれらのプロセッサでは、最大クロック スピードが 4.7 GHz まで向上しました。 

"Zen"

Ryzen 1000 シリーズ デスクトップ プロセッサに搭載された最初の "Zen" アーキテクチャは、最高 4 GHz クロック スピードを備え、14 nm 製造ノード上で生産されました。この翌年には、更新された "Zen+" アーキテクチャが Ryzen 2000 シリーズに搭載され、ダイが 12 nm ノードに小型化し、クロック スピードも向上、前製品に比べて IPC (クロックあたりの命令実行数) が約 3% 向上しました。この向上は一見するとわずかですが、クロック スピードが最大 4.3 GHz まで向上したおかげで、Precision Boost 2 や XFR 2 の更新により、ゲーミング パフォーマンスが最大 15% 向上しました。

製品ポートフォリオ

デスクトップ向け AMD Ryzen プロセッサ

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プレミアムなノート PC 向け AMD Ryzen プロセッサ

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AMD EPYC プロセッサ

業界をリードするパフォーマンスと効率性で AI、クラウド、エンタープライズ データセンターを推進

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脚注
  1. AMD Ryzen プロセッサの最大ブーストとは、バースト性のあるシングルスレッド ワークロードを実行しているプロセッサのシングル コアで達成可能な最大周波数を指しています。最大ブーストはいくつかの要因によって異なります。この要因には、サーマル ペースト、システムの冷却、マザーボードの設計と BIOS、最新の AMD チップセット ドライバー、最新の OS 更新が含まれますが、これらに限定されるものではありません。GD-150。  
  2. AMD "Zen2" CPU ベースのシステムは、SPECint®_base2006 の推定結果から、前世代の AMD "Zen" ベースのシステムよりも推定 15% 高いスコアを記録しました。SPEC および SPECint は、Standard Performance Evaluation Corporation の登録商標です。www.spec.org を参照してください。GD-141。 
  3. 2020 年 9 月 1 日に AMD パフォーマンス ラボがテストを実施しました。4 GHz の固定周波数で実行した 25 種類のワークロードにおいて、Windows® 10、NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti (451.77)、Samsung 860 Pro SSD、2x8 GB DDR4-3600 で構成された 8 コアの "Zen 2" Ryzen 7 3800XT と "Zen 3" Ryzen 7 5800X デスクトップ プロセッサの IPC を評価しています。実際の結果と異なる場合があります。R5K-003。 
  4. AMD 社内テストに基づいています。32 コア/64 スレッドの第 1 世代 AMD EPYC™ プラットフォームと比較して、32 コア/64 スレッドの第 2 世代 AMD EPYC™ プラットフォームでは、ISO 周波数におけるスレッドあたりの平均パフォーマンスが向上しました。SPEC CPU® 2017_int のサブコンポーネントおよび代表的なサーバー ワークロードを含め、特定のワークロード一式を使用して測定しています。SPEC® および SPEC CPU® は、Standard Performance Evaluation Corporation の登録商標です。詳細については、www.spec.org をご覧ください。ROM-236。 
  5. 2021 年 2 月 1 日に実施した AMD 社内テストに基づいています。AMD EPYC™ 7F32 (8C/8T、3.7 GHz) と比較して、AMD EPYC™ 72F3 (8C/8T、3.7 GHz) では、ISO 周波数におけるコアあたり、シングルスレッドの平均パフォーマンスが向上しました。SPECrate®2017_int_base、SPECrate®2017_fp_base、および代表的なサーバー ワークロードを含め、特定のワークロード一式を使用しています。SPEC® および SPECrate® は、Standard Performance Evaluation Corporation の登録商標です。詳細については、SPEC.org をご覧ください。MLN-003。 
  6. EPYC-038: 2022 年 9 月 19 日時点の AMD 社内テストに基づいています。第 4 世代 AMD EPYC™ 9554 CPU を、同じ固定周波数で第 3 世代 AMD EPYC™ 7763 CPU と比較したときに、どのくらいパフォーマンスが向上しているか幾何平均を求めました。比較にあたって、推定 SPECrate®2017_int_base、推定 SPECrate®2017_fp_base、代表的なサーバー ワークロードを含む、特定のワークロード一式 (33) を使用しました。SPEC® および SPECrate® は、Standard Performance Evaluation Corporation の登録商標です。詳細については、SPEC.org をご覧ください。 
  7. AMD Ryzen プロセッサの最大ブーストとは、バースト性のあるシングルスレッド ワークロードを実行しているプロセッサのシングル コアで達成可能な最大周波数を指しています。最大ブーストはいくつかの要因によって異なります。この要因には、サーマル ペースト、システムの冷却、マザーボードの設計と BIOS、最新の AMD チップセット ドライバー、最新の OS 更新が含まれますが、これらに限定されるものではありません。GD-150。
  8. 結果は、https://results.bapco.com/results/benchmark/MobileMark_2018 を参照
  9. 2022 年 4 月 11 日に実施した AMD のテストに基づいています。バッテリ ライフは、次の構成の HP Elitebook 865 G9 における 1080p 解像度でのローカル ビデオ連続再生時間で評価しています。AMD Ryzen 7 PRO 6850U プロセッサ + AMD Radeon 680M グラフィックス、76 Whr バッテリ、150 ニトのディスプレイ輝度、256 GB HDD、8 GB メモリ、Win 10 Pro。ビデオ解像度は 1920 x 1200 x 60 Hz で、パワー スライダーを "より良好なバッテリ" に設定しています。実際のバッテリ ライフは、さまざまな要因によって異なります。それらの要因には、製品構成、使用状況、ソフトウェア、動作条件、ワイヤレス機能、パワー マネージメント設定、画面の明るさなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。バッテリの最大容量は、時間の経過と使用状況に応じて自然に減少します。RMP-39。
  10. 2024 年 5 月に AMD パフォーマンス ラボでテストを実施しました。"Zen 5" のシステム構成: Ryzen 9 9950X GIGABYTE X670E AORUS MASTER マザーボード、Balanced、DDR5-6000、Radeon RX 7900 XTX、VBS=ON、SAM=ON、KRACKENX63。比較対象の "Zen 4" のシステム構成: Ryzen 7 7700X、ASUS ROG Crosshair X670E マザーボード、Balanced、DDR5-6000、Radeon RX 7900 XTX、VBS=ON、SAM=ON、KRAKENX62 {FixedFrequency=4.0 GHz}。テストに使用したアプリケーション: Handbrake、League of Legends、FarCry 6、Puget Adobe Premiere Pro、3DMark Physics、Kraken、Blender、Cinebench (n-thread)、Geekbench、Octane、Speedometer、および WebXPRT。システム メーカーの構成によって、異なる結果が生じる場合があります。GNR-03。
  11. 9xx5-001: 2024 年 9 月 10 日時点の AMD 社内テストに基づく、固定周波数での幾何平均パフォーマンス向上 (IPC)。
    - 第 5 世代 EPYC CPU のエンタープライズおよびクラウド サーバー ワークロードは、36 のワークロードから選択されたセットを使用し、SPECrate®2017_int_base (幾何平均) の合計および全サブセットの推定スコア、SPECrate®2017_fp_base (幾何平均) の合計および全サブセットの推定スコア、サーバーサイド Java マルチインスタンス最大 ops/秒のスコア、代表的なクラウド サーバー ワークロード (幾何平均)、および代表的なエンタープライズ サーバーワークロード (幾何平均) の幾何平均値で 1.170 倍 (幾何平均) の世代別 IPC 性能向上を示しました。
    "Genoa" 構成 (すべて NPS1): EPYC 9654 BIOS TQZ1005D 12c12t (12+1 で 1c1t/CCD)、FF 3 GHz、12x DDR5-4800 (2Rx4 64 GB)、32 Gbps xGMI。
    "Turin" 構成 (すべて NPS1): EPYC 9V45 BIOS RVOT1000F 12c12t (12+1 で 1c1t/CCD)、FF 3 GHz、12x DDR5-6000 (2Rx4 64 GB)、32 Gbps xGMI
    Ubuntu® 22.04 w/6.8.0-40-generic カーネル OS 上でのパフォーマンス決定論と Performance Governor の全ワークロードへの活用。
    - 第 5 世代 EPYC 世代別 ML/HPC サーバー ワークロードは、24 のワークロードから選択されたセットを使用し、代表的な ML サーバーワー クロード (幾何平均) および代表的な HPC サーバー ワークロード (幾何平均) の幾何平均値である 1.369 倍 (幾何平均) の IPC 性能向上を示しました。"Genoa 構成" (すべて NPS1) "Genoa" 構成: EPYC 9654 BIOS TQZ1005D 12c12t (12+1 で 1c1t/CCD)、FF 3 GHz、12x DDR5-4800 (2Rx4 64 GB)、32 Gbps xGMI。
    "Turin" 構成 (すべて NPS1):   EPYC 9V45 BIOS RVOT1000F 12c12t (12+1 で 1c1t/CCD)、FF 3 GHz、12x DDR5-6000 (2Rx4 64 GB)、32 Gbps xGMI
    Ubuntu 22.04 w/6.8.0-40-generic カーネル OS 上でのパフォーマンス決定論と Performance Governor の全ワークロードへの活用 (24.04 w/6.8.0-40-generic カーネルを使用する LAMMPS、HPCG、NAMD、OpenFOAM、Gromacs を除く)。
    SPEC® および SPECrate® は、Standard Performance Evaluation Corporation の登録商標です。詳細については、SPEC.org をご覧ください。