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- AMDのアダプティブ・ネットワーキング技術を活用したESnet6により、極めて高い転送速度でのパケットモニタリングを実現し、ネットワークの継続的な革新を推進

AMD(米国本社:米カルフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO:リサ・スー)は本日、米エネルギー省(DOE)の研究機関であるEnergy Sciences Network(ESnet)と連携し、DOEの研究用高性能ネットワークの最新版となるESnet6を構築したことを発表しました。

AMDは2018年からESnetと緊密に連携し、スマートでプログラマブルなESnet6ネットワークノード向けに高性能なアダプティブ・コンピューティングを統合しました。ESnet6の非常に大規模なパケットモニタリング・システムには、FPGAベースのネットワーク接続型アクセラレーターカードであるAMD Alveo U280がコアネットワーク・スイッチングノードに使用されています。これにより、きめ細かなパケット処理を実現することで、ネットワークのモニタリングや管理の精度を高め、性能向上に貢献しています。プログラマブルなハードウェアにより、新しい機能を追加することができることから、ネットワークの継続的なイノベーションが可能になります。

2基の100Gb/sのAMD Alveo U280アクセラレーターをESnet6のネットワーク・インターフェースカード(NIC)としてカスタマイズするために、AMDが開発したOpenNICオーバーレイを利用し、標準ネットワーク・インターフェースによるホスト接続型ハードウェアを提供しています。これにより、新規の実験的なネットワーキング機能を容易にAlveoカードに実装することが可能になりました。OpenNICは、ESnetや様々な主要な学術研究団体が活用し進化させた後、オープンソース化されています。また、P4パケット処理言語をFPGAハードウェア用にコンパイルするために、開発ツールであるAMD VitisNetP4を使用したことは、ハードウェアを専門としない研究者が開発を迅速に進めるうえで重要な役割を果たしました。

OpenNICおよびVitisNetP4を活用したAMD Alveo U280カードは、ESnet6ネットワークのすべてのノードで展開されています。FPGAで高速化された処理に基づくきめ細かな手法により、ESnet6ネットワークのすべてのパケットを極めて高い転送速度でモニタリングし、ネットワーク挙動に対する深い知見を取得するとともに、ネットワーク上の問題やホットスポットの速やかな検出と補正を可能にします。また、OpenNICプラットフォームを搭載したAlveo U280カードは、高い適応性によりESnet6の利用期間中において刻々と変化するニーズに対応し、エンドユーザーのコミュニティーに新機能を提供することができます。

要件の厳しいネットワーク・ラインレートに対応するAMDのアダプティブ・コンピューティングの利点は、ESnet6ネットワークのエッジにも適用されています。グローバルに分散している科学機器は、ESnetがサポートする必要がある「ビッグデータ」を用いた科学フローにおいて主要なソースとなります。OpenNICを搭載したAlveoカードを活用し、ESnetへの転送前にカスタマイズ・データのフィルタリングやシェーピングを行うことが可能です。また、これらの大容量データが転送されるスーパーコンピューター設備では、すべての演算サーバーとストレージサーバー間のロードバランシングにOpenNICを搭載するAlveoカードを利用することができます。

AMDのアダプティブおよび組み込み型コンピューティング・グループのシニアバイス・プレジデント兼CTOであるイヴォ・ボルセンスは、次のように述べています。「新たなネットワークのサービス立ち上げに必要な最先端の技術と専門性を、ESnetに提供できることをうれしく思います。当社のFPGAベースのアダプティブ・ネットワーキング機能は、非常に大規模なパケット処理システムであるESnet6の中核を成すものであり、分散型eサイエンスというDOEの未来のビジョンの基盤となります。」

大容量、高性能のネットワーキング

Lawrence Berkeley National Laboratory(ローレンス・バークレー国立研究所)内に設置されたESnetは、DOEの「データ循環システム」としての役割を果たし、DOEのすべての国立研究所や、DOEが助成する何万人もの研究者を接続しています。これには、DOEのトップクラスの研究機器や、世界初のエクサスケール・システムであり、AMD EPYC™ CPUおよびAMD Instinct™アクセラレーターを搭載するFrontierスーパーコンピューターをはじめとするスーパーコンピューター・センターなどが含まれます。

ESnetのエグゼクティブ・ディレクターであるインダー・モンガ氏は、次のように述べています。「ESnet6は、DOEが数十億ドルを投資して進める、日常生活を変えるような大きな前進につながる科学研究を支援するために構築されています。ESnet6は、科学研究向けネットワークのあり方を大きく変えるものです。AMDの技術は、ネットワークの弾力性、柔軟性、性能の強化に貢献します。」

1秒あたり46テラビットを超える帯域を提供するESnet6は、前世代から帯域が大幅に拡大され、科学研究ならではのニーズに対応します。能力拡大と新たなサービス機能の追加により、研究者は実験、モデリング、シミュレーションにより生み出される膨大な研究データを、より迅速に処理、解析、可視化、共有、保存することが可能になります。データは、相互接続された拠点や共同研究者の間で速やかに移動するため、成果を発見するまでの時間を短縮することができます。

参考情報:

AMDについて

AMDは、ハイパフォーマンス・コンピューティング、グラフィックスと視覚化技術において50年以上にわたり革新をもたらしてきました。世界中の何十億人もの消費者、フォーチュン500企業、最先端の科学研究機関が、日常の生活、仕事、遊びを向上させるために、AMDのテクノロジーに頼っています。AMD社員は、可能性の限界を押し上げる高性能で適応性の高い製品開発に注力しています。日本AMD株式会社は、AMDの日本法人です。AMDのさらなる詳細については、AMDのウェブサイトFacebookまたはツイッターをご覧ください。

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