スケーラビリティに対する障壁を取り除く

クラウド コンピューティングは、グローバル コンピューティングの新しいバックボーンとなっています。これまで以上に多くのお客様がクラウドでデータとアプリケーションをホストしており、その結果、ビジネスが俊敏性と拡張性に優れた新しいやり方に変化しています。

クラウド アーキテクチャに対する需要の高まりに伴い、パフォーマンス、柔軟性、セキュリティ、スペース、コストのそれぞれの面で運用をどうスケーリングするかという課題が生じるようになりました。機械学習や AI、コンテナー、仮想化など、クラウド アプリケーションに対する負荷が高くなったため、パフォーマンスと電力効率に対する要件も日増しに高くなっています。このような成長を実現するために、新たなレベルの演算能力、スケーラビリティ、効率が求められています。

新しい第 4 世代 AMD EPYC™ 97X4 プロセッサは、パフォーマンスと運用のスケーラビリティに対する障壁を取り除き、次世代のクラウド ネイティブ コンピューティングの運用への道を開きます。

クラウド コンピューティングの次のステップ

第 4 世代 AMD EPYC™ 97X4 プロセッサは、クラウド ネイティブ ワークロードに合わせて最適化されています。AMD EPYC™ 9754 プロセッサは、CPU あたりのスレッド数が 256 であり、現在利用可能なサーバー向け CPU の中で最大の vCPU 密度と最高の電力効率を実現しています。1、2 最大 128 コア、256 スレッド、PCIe® Gen 5 128 レーン (1P)、および業界をリードするワットあたりのパフォーマンス2 を備えた AMD EPYC™ 97X4 プロセッサは、最新のクラウド コンピューティング パフォーマンスを提供します。

その違いは数値でわかります。第 4 世代 AMD EPYC™ 97X4 プロセッサと競合製品の比較を次に示します。

さまざまなクラウド ネイティブ ワークロード全体でのスループット パフォーマンスが最大 3.7 倍3

AMD EPYC 9754: Optimized cloud native performance chart showing up to 3.7 time higher performance in comparison to Ampere

スレッドごとの 1 秒あたりのリクエスト数が最大 1.8 倍4

AMD EPYC 9754: Optimized thread performance chart showing up to 1.8 times thread vs Ampere

サーバーあたりのコンテナー数が最大 3 倍5

AMD EPYC 9754: Up to 3x containers per server chart showing up 3 times more containers per server in comparison to Altra Max M128-30

サーバー構成に第 4 世代 AMD EPYC™ EPYC97X4 プロセッサを採用すると、パフォーマンスの大幅な向上に加えて、インフラストラクチャに大きな変化が現れます。

新たなレベルの効率性

エンタープライズ顧客は、ますます演算集約型となるアプリケーションの需要の高まりに対処するためにパフォーマンスの向上を目指していますが、手頃な価格で運用を拡張するためには電力効率が最も重要です。

第 4 世代 AMD EPYC™ 97X4 プロセッサは、電力使用量を増加させることなく、ハイパフォーマンスを実現します。実際にこのプロセッサは電力効率の分野をリードしており、2P サーバー構成では競合製品の最大 2.7 倍のシステム電力効率を実現しています。6

AMD EPYC 9754: Cloud native leadership in energy efficiency chart showing up to 2.7 more energy efficiency vs. Altra Max M128-30

AMD は、1 秒あたり 3 億 7,500 万リクエストを処理するインフラストラクチャを NGINX のターゲットに設定し、競合他社の同等のソリューションと比較して大幅に節約できると見込んでいます。このような処理を実現するには、65 個の 1P Ampere® Altra Max M128-30、128C のサーバー構成を必要とします。これに対して、第 4 世代 EPYC™ 97X4 プロセッサ構成の場合に必要なのは 29 個だけです。7

AMD EPYC 9754: Cloud Native Advantage Chart showing saving rates in comparison to Altra Max M128-30

結果を次のように推定しています。

  • サーバー台数を最大 55% 削減7

  • 年間消費電力を最大 39% 削減7

  • TCO を最大 19% 削減7

第 4 世代 AMD EPYC™ 97X4 プロセッサにアップグレードすることで、サーバーの効率性に加えて、最適化も得られます。最新の AMD EPYC™ プロセッサに移行するお客様は、x86 との互換性により、前世代または競合の x86 ソリューション、特に効率性の改善が必要な古い構成から、簡単に最新の AMD EPYC™ プロセッサにアップグレードできます。

セキュリティ機能: AMD サーバーの中核を成すもの

お客様が望んでいるのはパフォーマンスと効率性ですが、そのためにセキュリティを犠牲にしてもよいとは考えていません。AMD EPYC™ プロセッサなら、AMD Infinity Guard による最新のセキュリティ機能を利用できます。8

データの世界がより複雑になる中、AMD はセキュリティを最適化するための最新の多面的アプローチを採っています。シリコン レベルで組み込まれている AMD Infinity Guard の機能により、内外の脅威に対抗してデータを安全に維持するために必要となる高度な機能を活用できます。

AMD Infinity Guard の詳細と、それがデータの保護にどのように役立つのかをご覧ください。

モデル

コア

スレッド

デフォルト TDP (W)

cTRDP 範囲 (W)

Fbase/ Fboost9

SMT 構成可能

L3 キャッシュ (MB)

DDR5 チャネル

PCIe® Gen 5

9754

128

256

360

320 ~ 400

2.25/3.1

Y

256

12

x128

9754S

128

128

360

320 ~ 400

2.25/3.1

N
(SMT オフのみ)

256

12

x128

9734

112

224

340

320 ~ 400

2.20/3.0

Y

256

12

x128

AMD のエンタープライズ顧客にとって、これらすべてが意味するのは、クラウド コンピューティングの需要の高まりに対応する最新ソリューションの実現です。第 4 世代 AMD EPYC™ 97X4 プロセッサは、少ないリソースで多くのメリットを生み出すソリューションであり、このプロセッサを選択したお客様は、作業内容は同じでも、アプリケーションとワークロードに応じて、必要なサーバー数を減らしたり、消費電力を抑えたり、TCO を削減したりできます。導入した瞬間から、お客様はパブリック クラウドとプライベート クラウドの両方で、パフォーマンス、効率性、堅牢なセキュリティ機能を提供する最先端のサーバー構成を利用可能です。

第 4 世代 AMD EPYC™ 97X4 プロセッサはクラウド コンピューティングの運用に変革をもたらします。詳しい内容にご興味があれば、ぜひ、お住まいの地域の AMD 担当者にお問い合わせください

脚注
  1. EPYC-049:  AMD EPYC™ 9754 は 128 コアのデュアル スレッド CPU であり、vCPU あたり 1 スレッドの 2 ソケット サーバーでは、AMD EPYC™ 搭載サーバーあたりの vCPU の数が 512 になります。これは、2023 年 6 月 13 日時点で、Ampere または 4 ソケットの Intel CPU ベースのサーバーよりも多い数です。
  2. https://www.amd.com/system/files/documents/amd-epyc-9754-pb-spec-power.pdf
  3. 実際の結果は、システムの構成、ソフトウェアのバージョン、BIOS の設定などの要因によって異なります。2023 年 6 月 13 日時点のクラウド ネイティブ ワークロード (https://www.amd.com/system/files/documents/amd-epyc-9754-pb-spec-power.pdf) を参照
  4. SP5-150: 2023 年 6 月 13 日時点での AMD 内部測定値の中央値スコアに基づく、1 秒あたりの Memcached mem_tier 1:10 set/get オペレーションの比較。詳細については、Memcached パフォーマンス概要 (https://www.amd.com/system/files/documents/amd-epyc-9754-pb-cloud-native-workloads.pdf) を参照。追加された 2P AMD EPYC™ 9754S (構成はホワイトペーパーの 9754 と同じ) は、256C/256T で合計 4,064 万 3,750 オペレーション/秒 (158,765/スレッド) のスループット パフォーマンスを示し、Altra Max M128-30 と比較して約 1.84 倍のオペレーション/秒/スレッドです (22068452 オペレーション/秒、86205 オペレーション/秒/スレッド)。参考までに、2P 120C/240T Xeon 8490H (2,989 万 3,871 オペレーション/秒、12 万 4,558 オペレーション/秒/スレッド) および 2P 256C/512T AMD EPYC™ 9754 (5,812 万 9,312 オペレーション/秒、11 万 3,534 オペレーション/秒/スレッド) となっています。実際の結果は、システムの構成、ソフトウェアのバージョン、BIOS の設定などの要因によって異なります。
  5. SP5-149: コンテナー密度のスループットは、複合サーバーサイド Java ワークロードに対する SLA 使用率が合計コア数の 90% を超えるまで、コンテナーあたりおよそ 2 万 5,000 の e コマース Java オペレーション/秒を維持するという条件に基づいています。これは 2023 年 6 月 13 日に AMD で測定されたものです。共通のコンテナー設定: 40 GB メモリの割り当て、同様のディスクと NIC。 2P サーバーの構成: 2P AMD EPYC™ 9754 128C/256T SMT オン、メモリ: 1.5 TB = 24 x 64 GB DDR5 4800、OS Ubuntu 22.04、NPS 設定: L3、NUMA による 16 vCPU の実行と 2P Xeon Platinum 8490H 60C/120T HT オンの比較、メモリ: 2TB = 32 x 64 GB DDR5 4800、OS Ubuntu 22.04、NPS 設定: NPS 2 による 16 vCPU の実行と 2P Ampere Altra Max 128-30 の比較、メモリ: 1 TB = 16 x 64 GB DDR3200、OS Ubuntu 22.04、NPS 設定: NPS 1 による 25C の実行。実際の結果は、システムの構成、ソフトウェアのバージョン、BIOS の設定などの要因によって異なります。
  6. 実際の結果は、システムの構成、ソフトウェアのバージョン、BIOS の設定などの要因によって異なります。2023 年 6 月 13 日時点の https://www.amd.com/system/files/documents/amd-epyc-9754-pb-spec-power.pdf を参照
  7. すべてのパフォーマンス スコアは、2023 年 5 月と 6 月に 3 億 2,500 万のリクエストを配信する AMD 内部テストに基づいた推定値です。AMD のパフォーマンスは、AMD リファレンス プラットフォーム上で実行され、そのスコアは 1,299 万 9,000 リクエスト/秒です。Ampere のパフォーマンスは、Ampere Mt. Snow サーバー上で実行され、580 万 7,000 リクエスト/秒のスコアを記録しました。分析は、AMD EPYC™ ベア メタル サーバーおよび温室効果ガス排出量 TCO 評価ツール - バージョン 9.33 Pro に基づきます。 AMD プロセッサの価格は 2023 年 4 月現在の 1KU 価格に基づいています。 Ampere CPU データについては Phoronix.com を参照してください。  価格はすべて米ドルです。  
    0.128 ドル/kWh (ラックあたり 12 kW) の電力で 3 年間の TCO を分析。この TCO には電力とサーバーのコストのみが含まれています。 これは電力のみの OpEx であり、PUE は 1.70 です。 この分析には、管理コスト、建物コスト、ソフトウェア コスト、サーバー外部のネットワークやストレージの電力は含まれていません。 
    環境負荷への試算は、このデータを活用し、"2020 Grid Electricity Emissions Factors v1.4 – 2020 年 9 月" の国/地域特定の電気要因、および米国環境保護庁 "Greenhouse Gas Equivalencies Calculator" を使用しています。 
    このシナリオには多くの仮定と推定が含まれており、AMD の内部調査と最良近似に基づいています。このシナリオ中に示される数値は、情報提供のみを目的とした例であり、実際のテストに対する意思決定の基礎としては使用しないでください。詳細については、https://www.amd.com/ja/claims/epyc4#SP5TCO-052K を参照
  8. AMD Infinity Guard の機能は、AMD EPYC™ プロセッサの世代によって異なります。AMD Infinity Guard のセキュリティ機能は、サーバー OEM やクラウド サービス プロバイダーにより有効化されている必要があります。これらの機能のサポートについては、OEM またはプロバイダーに確認してください。AMD Infinity Guard の詳細については、https://www.amd.com/ja/technologies/infinity-guard をご覧ください。GD-183
  9. EPYC-018: AMD EPYC™ プロセッサの最大ブーストは、サーバー システムの通常の動作条件下においてプロセッサの任意のシングル コアによって達成可能な最大周波数です。