概要
AMD MicroBlaze™ プロセッサは、効率的な RISC ハーバード アーキテクチャをベースとする、カスタマイズ可能で簡単に統合できる 32 ビット/64 ビットのマイクロプロセッサです。MicroBlaze プロセッサは、ペリフェラル、メモリ、およびインターフェイスをカスタマイズする多数のオプションを使用できるため、柔軟性に優れています。その適応性の高さから、産業、医療、車載、民生機器、通信機器など、さまざまな分野のアプリケーション要件を満たし、その性能が実証されています。
長期にわたる開発とテストを繰り返し、MicroBlaze プロセッサは信頼性を確立し、これまでに多くのアプリケーションで採用されてきました。持続的なデザインと信頼性の高いパフォーマンスが多くの開発者を魅了し、MicroBlaze プロセッサが繰り返し選ばれる理由となっています。
MicroBlaze プロセッサは、Vivado™ Design Suite でサポートされている AMD のアダプティブ SoC または FPGA に、追加料金なしで組み込むことができます。また、このコアは Spartan™ 6 FPGA のような以前の FPGA ファミリ向けの統合デザイン ソフトウェア (IDS) エンベデッド エディションにも含まれています。
主な機能
3 つの構成オプション
- マイクロコントローラー: ベアメタル コードの実行に最適
- リアルタイム プロセッサ: RTOS 上で確定的なリアルタイム処理を実行
- アプリケーション プロセッサ: エンベデッド Linux で実行可能
高度な機能
- 70 以上のユーザー設定オプションがあり、イーサネット サブシステム、UART、USB 2.0、Streaming FIFO など、ドライバー対応のドラッグアンドドロップで選択できるペリフェラル カタログを使用して簡単にカスタマイズ可能。
- 32 ビットの命令セット、汎用レジスタ、最大 64 ビットまで拡張可能なアドレス バスなどの高度な機能を搭載。
- デュアルコア ロックステップと TMR (Triple Modular Redundancy) 機能を備え、オプションの浮動小数点ユニットや電力管理モード (スリープ、ハイバネート、サスペンドなど) を使用することで、クリティカルなアプリケーションで高い信頼性と安全性を確保できる。
高い設計柔軟性
- Vivado と Vitis™ ツールを使用する効率的なデザイン フロー
- Vivado または IDS デザイン ツールでサポートされている AMD のアダプティブ SoC/FPGA に適用可能
- 最適なフットプリント用に 3 段パイプライン、最大パフォーマンス用に 5 段パイプライン


AMD MicroBlaze™ V プロセッサは、オープンソースの RISC-V を採用しており、ハードウェアの移行を容易にし、設計の移植性を高めるとともに、業界に支えられた包括的なエコシステムを活用できます。MicroBlaze V を活用することで、設計プロセスを効率化し、優れたパフォーマンスとセーフティ機能を備えたシステムを実現できます。
プロセッサの詳細
主なドラッグ アンド ドロップ ペリフェラル
汎用
- Multichannel DMA
- Streaming FIFO
- Timer/Watchdog
- Mutex/Mailbox
I/O
- UART
- USB2.0
- GPIO
- PWM
- SPI
ビデオ
- HDMI Camera/Display Interface
- MIPI-CSI、MIPI-DSI
- Video DMA
メモリ
- DDR
- Quad SPI
- SDRAM
ネットワーク
- Ethernet Subsystem
- Controller Area Network
サンプル デザイン構成
- MicroBlaze Microcontroller
- MicroBlaze リアルタイム プロセッサ
- MicroBlaze アプリケーション プロセッサ
MicroBlaze プロセッサの性能指標: Vivado Design Suite 2023.2 に基づくデータ
デバイス | マイクロコントローラー (1.09 DMIPs/MHz) |
リアルタイム プロセッサ (1.38 DMIPs/MHz) |
アプリケーション プロセッサ (1.38 DMIPs/MHz) |
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Fmax | DMIPS | Fmax | DMIPS | Fmax | DMIPS | |
コスト重視製品ポートフォリオのデバイス | ||||||
Spartan™ 7 (-2) FPGA | 186 | 203 | 152 | 210 | 132 | 182 |
Artix™ 7 (-3) FPGA | 203 | 221 | 181 | 250 | 140 | 193 |
Zynq™ 7000S (-2) SoC | 186 | 203 | 155 | 214 | 128 | 177 |
Zynq 7000 (-3) SoC | 211 | 230 | 171 | 236 | 147 | 203 |
FPGA、3D IC、MPSoC、およびアダプティブ SoC | ||||||
Kintex™ 7 (-3) FPGA | 295 | 322 | 243 | 335 | 204 | 282 |
Virtex™ 7 (-3) FPGA | 299 | 326 | 252 | 348 | 202 | 279 |
Kintex UltraScale™ (-3) FPGA | 392 | 427 | 291 | 402 | 244 | 337 |
Virtex UltraScale (-3) FPGA | 384 | 419 | 283 | 391 | 243 | 335 |
Kintex UltraScale+™ (-3) FPGA | 519 | 566 | 390 | 538 | 343 | 473 |
Virtex UltraScale+ (-3) FPGA | 517 | 564 | 377 | 520 | 338 | 466 |
Artix UltraScale+ (-2) FPGA | 482 | 525 | 358 | 494 | 300 | 414 |
Zynq UltraScale+ MPSoC (-3) | 518 | 565 | 365 | 504 | 334 | 461 |
Versal™ AI コア シリーズ (-3HP) | 437 | 476 | 361 | 498 | 310 | 428 |
2023 年 11 月に実施された AMD 社内テストに基づくデータであり、Dhrystone ベンチマーク V2.1 を使用して、あらかじめ定義されたプリセットと許可されたコンパイラ オプションを用いて AMD MicroBlaze プロセッサを評価しました。使用ツール チェーンは、AMD Vivado 2023.2 IDE に含まれる GNU ツール チェーンです。実際の結果は変動する可能性があります。(IP-001)