CDW StudioCloud は AMD EPYC™ プロセッサによって視覚効果 (VFX) レンダリングのコア密度を 4 倍に向上

AMD EPYC CPU を選択することで、コンテンツ制作に 50 万個の物理コアと優れた効率性を実現

現在、視聴者に愛される映画やテレビ番組を作成する上で中心となっているのは、ハイパフォーマンス コンピューティングです。IT ソリューション プロバイダーの CDW は、アニメーションと VFX をできるだけ迅速かつコスト効率よく配信するために必要な、柔軟なリソースをコンテンツ制作者に提供できるよう、StudioCloud サービスを開発しました。

当初の計画では、世界最大のスーパーヒーロー シリーズの 1 つをカナダに誘致し、VFX レンダリング実行する予定でしたが、それには 1,000 個のレンダリング ノードによるバースト容量が必要でした。当時、バンクーバーのスタジオ全体を合計しても、レンダリング ノードは 1,000 個に満たない状態でした。現在、CDW StudioCloud は 50 万個の物理コアから成るコンピューティング フリートをお客様に提供しています。これは世界最大級のスタジオと同等です。この巨大なデータセンター フリートを実現するために必要な密度を提供したのが、AMD EPYC™ プロセッサです。

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コンテンツ制作者は、CDW StudioCloud を使用してアニメーションと VFX を迅速かつコスト効率よく配信しています

より少ないスペースでより多数のレンダリング コアを提供

「CDW StudioCloud は、世界をリードするアニメーションおよび視覚効果スタジオ向けに設計されたオーダーメイドのレンダリング、ストレージ、アーティスト ワークステーションを提供しています」と、CDW StudioCloud のビジネス開発およびメディア & エンターテイメント担当グローバル ディレクター、Kris Kostiuk 氏は言います。「また、当社は北米全土に散らばるデータセンターでスタジオ全体をホストしており、オーストラリア、ヨーロッパ、英国におけるグローバルなクライアント展開と共に成長してきました。スタジオがダーク ファイバー接続によって柔軟なクラウドのような経済性を確保できるよう支援することで、クライアントはオンプレミス テクノロジの拡張として直接接続し、低レイテンシと高帯域幅を実現できます。当社の安全でエアギャップを備えたアーキテクチャは、Motion Picture Association が支援する最新の Trusted Partner Network (TPN+) プラットフォームを CDW StudioCloud が早期に採用するのにも役立ちました」。

CDW StudioCloud はもともと、ほかのベンダーの CPU を使用していましたが、CDW StudioCloud の諮問委員会は、パフォーマンスとコア密度を実現できる AMD EPYC プロセッサを推奨しました。「当社のクライアントは、最良の価格、パフォーマンス、消費電力を求めています」と Kostiuk 氏は言います。「私たちは AMD や Dell Technologies と話し合い、最小限の消費電力で最も多くのコアを最良の価格で提供するソリューションを構築しました。そして、StudioCloud ラボ テクノロジ上で Autodesk® Arnold や Pixar® RenderMan® などのソフトウェアを使用して、クライアントのプロダクション レンダリング ジョブとあわせてベンチマークとテストを実施しました。具体的には、8 つの AMD EPYC 64 コア プロセッサを搭載した 2U 4 ノードの Dell PowerEdge サーバーを使用してベンチマーク レンダリング テストを実行し、既存の CDW StudioCloud レンダー ノードおよび代替のプロセッサ ブランドに基づくクライアントのレンダー ファームと比較しました」。

「鍵となるのは密度です」と Kostiuk 氏は続けます。「EPYC のコア数に魅力を感じ、Dell と AMD を選びました。これまでの 3 ~ 4 ラックの古いコンピューティングを、AMD CPU を搭載した 1 ラックの Dell PowerEdge サーバーに置き換えることができたのです。以前の物理コアは 2,000 程度でしたが、データセンターで同じ 35 キロワットのラック電力を使用して 7,168 も得られるようになったのは驚くべきことでした。この密度により、当社は必要な方法で成長できたのです。スペースと電力を増やすこともなく、最も古いコンピューティングの一部も廃止できたため、電力効率は大幅に向上しています」。

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アニメーションと VFX 専用に設計された CDW Studio Cloud によって魔法が実現します。

2 年間で 40 万コアを追加

スタジオにとって重要なのは、基盤となるテクノロジに変更があった場合でも、品質の一貫性を維持することです。「一部のクライアントは、同じプロジェクトで AMD ワークロードとほかの CPU ベンダーを混在させています。テストの結果、クライアントは、それぞれから得られる出力フレームが視覚的に区別できないことを検証しました」と Kostiuk 氏は言います。

CDW StudioCloud は、このコア密度の場合、レンダー ファーム内でのジョブの割り当て方法に別のアプローチが必要になることにも気づきました。「スタジオによっては、最初のフレームをできるだけ速く配信するようにしているため、1 つのジョブに多くのコアを割り当てます」と Kostiuk 氏は言います。「つまり、2U の PowerEdge サーバーに 128 コアのレンダー ノードを 4 台配置し、ノードあたり 512 GB または 1 TB のメモリを搭載します。あるいは、ワークロードを分散してマス スレッドを利用することもできます。ノードごとに 128 個のコアがあるため、複数のジョブに分割して、より少ないコア数とメモリのサブセットで、並列で実行できます。ソフトウェア ライセンスの観点からも、コアごとに支払うのではなくノードごとに支払うため、レンダリング ジョブをより効率的に実行できます。クライアントが複数のジョブをロードする場合でも、最初のフレームをすぐに返す場合でも、AMD EPYC の高いコア密度が非常に役立ちます」。

「AMD EPYC CPU がなければ、今日見られるレンダリング ワークロードの需要の増加を満たすことは不可能だったでしょう」と Kostiuk 氏は言います。「当社のクライアントには、同じ規模の代替 CPU を購入する余裕がありませんでした。AMD を使用すれば、より多くのフレームを完成させることができます。現在、当社のクライアントは新しい AMD レンダーのみを購入しており、当社も同様です。StudioCloud の最初の 8 年間で、別の CPU ベンダーを使用して物理コア数が 10 万個を少し超えるまでに成長しました。そして過去 2 年強で、さらに 40 万コアを追加しましが、そのすべてが AMD です」。

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CDW StudioCloud は、AMD EPYC CPU によって卓越したパフォーマンスと価値を提供します。

StudioCloud の持続的な成長を実現

「ラックに収容できる最大値は電力密度によって決まります」と Kostiuk 氏は言います。「以前の CPU ベンダーでは、1 つのラックに 64 個のノードを展開していました。Dell サーバー上で AMD CPU を実行すると、デュアル 64 コア CPU を 56 ノード搭載した時点で 35 キロワットの消費電力に達しました。つまり、1 つのラック内は 7,168 コアになります。この 7,168 コアを実現するには、以前の CPU ベンダーでは 3 ~ 4 ラック必要でした。これにより、電力効率が劇的に向上しました。CDW では、電力使用量の削減に重点的に取り組んでおり、年間の CO2 隔離量は推定 5 万 4,770 メトリック トンを超えています。当社は今後も成長し続けることがわかっており、持続可能な形で成長していきたいと考えています」。

「CDW にとって、鍵となるのはパートナーシップです。Dell は当社にとって最大のパートナーの 1 社です」と Kostiuk 氏は言います。CDW は、Dell Titanium Black パートナーシップを活用することで、大量購入プログラムによる節約、評価の機会、Dell Ready Stock による在庫保管を実現しています。「当社は、瞬時にコンピューティングをオンにできるハイパースケーラーと競合しています。その俊敏性に対しては割増料金の支払いが必要になりますが、CDW StudioCloud はその 5 分の 1 の価格で、非常に迅速にスケーラブルなサービスを提供できます。Dell Ready Stock のおかげで倉庫にアセットを置いておくことができるため、既存のフリートを超える必要がある場合でも、クライアントが必要とする場所に 1 週間以内に配送できます。CDW StudioCloud には、新品の未開封の物理コアが約 10 万個在庫されており、バンクーバー、トロント、モントリオール、ロサンゼルス、ロンドン、ヨーロッパ、オーストラリア、インドなど、必要な場所に展開できます。そのため、非常に柔軟性があります」。

「当社は現在、第 2 世代と第 3 世代の AMD EPYC CPU を使用しており、クライアントにとって最適な SKU を選択しています。最初に採用した AMD は 64 コアの 7662 で、次に、7713 を選択しました。今後は 128 コア以上の AMD EPYC を使用する予定です。そして次世代では、ハイブリッド液冷を活用し、ラックあたりのコア数を増やし、RAM フットプリントを 2 倍にする予定です。私たちには、AMD EPYC CPU がコア密度とパフォーマンスに関して業界最高のソリューションの 1 つであることがわかっています。Dell と並んで、AMD チームとのパートナーシップの深さとレベルは、当社の成功と StudioCloud の成長にとって不可欠でした。当社は AMD および Dell と協力して、世界最大のアニメーション スタジオおよび VFX スタジオが CDW StudioCloud を使用してより多くのビジネス価値を提供できるよう支援しています」。

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CDW StudioCloud は、VFX スタジオに手頃な価格でハイパフォーマンス コンピューティングをもたらします。

お客様に関する情報


CDW StudioCloud は、映画、テレビ、ストリーミング用のアニメーションや VFX をレンダリングするためのコンピューティングを必要とするアニメーション スタジオおよび VFX スタジオに柔軟なメニューを提供します。これらのサービスは、スタジオのオンプレミス ワークフローの拡張として展開できます。CDW StudioCloud は、イリノイ州バーノン ヒルズに拠点を置く多国籍企業であり、フォーチュン 500 企業でもある CDW Corporation (NASDAQ: CDW) の完全子会社、CDW Canada が提供するサービスです。2023 年、CDW Canada は、Channel Daily News のトップ 100 ソリューション プロバイダー リストで、カナダの年間最優秀ソリューション プロバイダーの第 1 位に選ばれました。詳細は cdw.ca/studiocloud をご覧ください。

ケース スタディに関する情報


  • 業界:
    メディア & エンターテイメント クラウド インフラストラクチャ
  • 課題:
    手頃な価格で、柔軟かつ持続可能な方法により、メディアおよびエンターテイメント業界でのレンダリング ワークロードに対する需要の高まりに対応する
  • ソリューション:
    AMD EPYC™ プロセッサを搭載した Dell PowerEdge サーバーを導入
  • 結果:
    CDW StudioCloud の以前の CPU 密度の 3 ~ 4 倍を実現することにより、35 kW の消費電力でデータセンター ラックあたり 3 ~ 4 倍のコア数が可能に
  • AMD テクノロジ概要:
    AMD EPYC™ CPU
  • テクノロジ パートナー:
Dell Technologies logo

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