
– 第3世代AMD EPYC™ ファミリーの最新モデルは、768MBのL3キャッシュ、ドロップイン・プラットフォームの互換性、最新のセキュリティー機能を搭載
– テクニカル・コンピューティング向けEPYCプロセッサーのエコシステムが、主要OEM、ODM、SI、ISV、クラウド・ソリューションで拡大
AMD(米国本社:米カルフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO:リサ・スー)は本日、3Dダイ・スタッキング技術を採用した世界初のデータセンター向けCPU、「AMD 3D V-Cache™テクノロジー搭載第3世代AMD EPYCプロセッサー(コードネーム「Milan-X」)」の提供開始を発表しました。「Zen 3」コア・アーキテクチャーを採用した本製品は、第3世代EPYC CPUファミリーを拡張し、スタッキング構成ではない同等の第3世代AMD EPYCプロセッサーと比較して、対象となるさまざまなテクニカル・コンピューティング・ワークロード全体で、最大66%のパフォーマンス向上を実現します。
今回発表となった新しいプロセッサーは、業界最大のL3キャッシュを搭載し、第3世代EPYC CPUと同じソケット、ソフトウェア互換性、最新のセキュリティー機能を提供しながら、数値流体力学(CFD)や有限要素解析(FEA)、電子設計自動化(EDA)、構造解析などのテクニカル・コンピューティング・ワークロードに優れた性能を提供します。これらのワークロードは、世界で最も革新的な製品のエンジニアリング設計を検証するシミュレーションを作成するため、物理世界の複雑さをモデル化したい企業にとって、重要な設計ツールとなります。
先進的なパッケージング技術
キャッシュサイズの増加は、特に大規模なデータセットに大きく依存するテクニカル・コンピューティング・ワークロードの性能向上に関わる最前線にあります。これらのワークロードは、キャッシュサイズの増加によるメリットがありますが、2Dチップ設計では、CPU上に効果的に構築できるキャッシュの量に物理的な制限があります。AMD 3D V-Cacheテクノロジーは、AMD Zen 3コアをキャッシュ・モジュールに結合することで、L3の量を増加させながらレイテンシーを最小限に抑え、スループットを向上させることで物理的な課題を解決します。このテクノロジーは、CPUの設計とパッケージングにおける革新的な一歩であり、テクニカル・コンピューティング・ワークロードで画期的な性能を実現します。
画期的な性能
第3世代AMD EPYCプロセッサーは、テクニカル・コンピューティング向けに世界最高レベルの性能を発揮するサーバー・プロセッサーとして、AMD 3D V-Cacheテクノロジー搭載により、以下のようなワークロードで処理時間を短縮します。
- EDA:16コアの「AMD EPY 7373X CPU」は、シノプシスVCS™で「EPYC 73F3 CPU」と比較して最大66%のシミュレーション高速化を達成します。
- FEA:64コアの「AMD EPYC 7773X」プロセッサーは、Altair® Radioss® シミュレーション・アプリケーションにおいて、競合の上位スタック・プロセッサーと比較して平均44%の性能向上を実現します。
- CFD:32コアの「AMD EPYC 7573X」プロセッサーは、Ansys® CFX®を実行しながら、競合の32コアプロセッサーと比較して、1日あたり平均88%も多くのCFD問題を解決します。
これにより、企業はデータセンターに導入するサーバー数と消費電力が削減できるため、総所有コスト(TCO)の節約と二酸化炭素排出量の低減により、環境の持続可能性に関する目標達成に役立てることができます。例えば、Ansys® CFX®のテストケースであるcfx-50で、1日あたり4600ジョブを実行する典型的なデータセンターのシナリオでは、2P 32コアのAMD EPYC 7573X CPUベースのサーバーを使用する場合、競合他社の最新の2P 32コア・プロセッサーベースのサーバーと比較して、必要なサーバーの推定台数を20台から10台に減らし、電力消費を49%削減することができます。その結果、3年間のTCOを51%削減できる見込みです。
すなわち、AMD 3D V-Cacheを搭載した第3世代AMD EPYCプロセッサーを採用することにより、年間81エーカーを超える米国の森林の炭素吸収量に相当する環境保全効果が得られるようになります。
3D V-Cacheテクノロジー搭載 第3世代AMD EPYCプロセッサーの製品仕様
コア |
製品モデル |
CCD
|
TDP |
cTDP幅 |
ベースクロック(GHz) |
最大ブーストクロック(最大GHz)* |
L3キャッシュ(MB) |
DDRチャンネル |
価格(1KU) |
64 |
7773X |
8 |
280 |
225-280 |
2.20 |
3.50 |
768 |
8 |
$8.800 |
32 |
7573X |
8 |
280 |
225-280 |
2.80 |
3.60 |
768 |
8 |
$5,590 |
24 |
7473X |
8 |
240 |
225-280 |
2.80 |
3.70 |
768 |
8 |
$3,900 |
16 |
7373X |
8 |
240 |
225-280 |
3.05 |
3.80 |
768 |
8 |
$4,185 |
*AMD EPYCプロセッサーの最大ブーストは、サーバー・システムの通常の動作条件下で、プロセッサー上の任意のシングル・コアが達成可能な最大周波数です。
業界全体のエコシステム・サポート
AMD 3D V-Cacheテクノロジー搭載第3世代AMD EPYCプロセッサーは現在、Atos、Cisco、Dell Technologies、Gigabyte、HPE、Lenovo、QCT、Supermicroなど幅広いOEMパートナーから提供されています。
また、Altair、Ansys、Cadence、Dassault Systèmes、Siemens、SynopsysなどのAMDソフトウェア・エコシステム・パートナーによっても幅広くサポートされています。
このたび、Microsoft Azure HBv3バーチャルマシン(VM)が、AMD 3D V-Cacheテクノロジーを搭載した第3世代AMD EPYCに完全にアップグレードされました。マイクロソフトによると、HBv3 VMは、Azure HPCプラットフォームにこれまでで最も早く採用された追加機能で、AMD 3D V-Cacheの追加により、従来のHBv3シリーズVMと比較して主要なHPCワークロードで最大80%の性能向上が確認されているとのことです。
参考情報:
- AMD 3D V-Cacheテクノロジー搭載AMD EPYCプロセッサーに関する動画
- AMD 3D V-Cacheテクノロジー搭載AMD EPYCプロセッサーに関する詳細
- AMD EPYCプロセッサーに関する詳細
- 本プレスリリースは、2022年3月21日(現地時間)に米国本社で発表されたプレスリリースの抄訳版です。リリース全文については原文(英語)をご参照ください。
AMDについて
AMDは、ハイパフォーマンス・コンピューティング、グラフィックスと視覚化技術において50年以上にわたり革新をもたらしてきました。世界中の何十億人もの消費者、フォーチュン500企業、最先端の科学研究機関が、日常の生活、仕事、遊びを向上させるために、AMDのテクノロジーに頼っています。AMD社員は、可能性の限界を押し上げる高性能で適応性の高い製品開発に注力しています。日本AMD株式会社は、AMDの日本法人です。AMDのさらなる詳細については、AMDのウェブサイト、Facebookまたはツイッターをご覧ください。
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