『UltraScale アーキテクチャ システム モニター ユーザー ガイド』
AMD UltraScale™ アーキテクチャは、オンチップでデータのルーティングと処理を効率的に実行することで数百ギガビット毎秒のシステム性能を実現する初の ASIC クラス アーキテクチャです。
柔軟性に優れた AMD アダプティブ SoC/FPGA は、ハードウェアの並列性を利用する高性能/マルチチャネル デジタル信号処理 (DSP) アプリケーションに最適です。AMD アダプティブ SoC では、このプロセッシング帯域幅を実現できると同時に、ハードウェア設計者、ソフトウェア開発者、システム設計者が使いやすい設計ツールなどを含む包括的なソリューションを利用できます。
ハードウェアの並列性
一般的なノイマン型の DSP アーキテクチャでは、256 タップの FIR フィルターを処理するのに 256 サイクルを要しますが、アダプティブ SoC や FPGA では、同じ処理を 1 クロック サイクルで実行することが可能です。
AMD は、7 シリーズ、Zynq™ 7000、UltraScale™、および UltraScale+™、および Versal™ 製品ファミリ向けに統合された包括的なシステム モニター (SYSMON) 機能を提供しています。この機能を利用することによって、多くの業界規格 (FIPS 140-2、IEC 61508、および ISO26262 など) で定められている、ジャンクション温度、電源電圧、ADC を介した外部測定など、アダプティブ SoC や FPGA の物理的動作条件を容易に監視することが可能になります。
新しいプラットフォーム管理コントローラー (PMC) の Versal SYSMON は、起動時にすばやくレジスタにアクセスでき、8kSPS で 160 チャネル1 のサンプリング、さらにすべての入力で最大 16 サンプルの平均化が可能になります。また、前世代の EOC ピンや EOS ピンに代わり、新たにレジスタベースの割り込み機能を採用しています。内部基準電圧が改善され、外部基準電圧と同等の精度 (±1%) を実現し、システム全体の BOM コストと PCB フットプリントを削減します。
AMD の System Monitor は、システム全体の安全性、セキュリティ、および信頼性を高めることができる電源管理インフラの重要な機能であり、I2C/PMBus テレメトリに対応するすべてのシステムで、AMD デバイスやその他のオンボード電源の電圧供給、温度、外部入力の情報を提供します。
System Monitor アーキテクチャの概要
Vivado™ 内で AMD の CIPS (Control, Interfaces and Processing System) IP を使用すると、Versal デバイスで SYSMON を簡単にプログラミングでき、System Management Wizard を使用して UltraScale+ や前世代デバイスの特定のシステム要件に合わせて SYSMON の動作を簡単に設定できます。
アナログとデジタルを統合したデザインのカスタマイゼーション
7 シリーズ FPGA および Zynq 7000 SoC AMS テクノロジは、シンプルなシステム モニタリングから、デジタル ポストプロセッシング (線形化、フィルタリング、キャリブレーション、オーバーサンプリングなど) を必要とする複雑なアナログ測定に至るまであらゆるアプリケーションにお使いいただけます。XADC は、さまざまなアプリケーションに優れた柔軟性、統合性、およびコスト削減効果をもたらします。
7 シリーズ FPGA および Zynq 7000 SoC には、さらにアナログ ミックスド シグナル (AMS) 機能を備えたザイインクス XADC ブロックを統合しています。XADC ブロックでは、システム監視機能を実行するほかに、モーター制御や電圧変換器など多くのアプリケーションで求められる個別のアナログ/デジタル変換器として置き換えることも可能なため、BOM コストや制御ループのレイテンシを削減できます。
XADC アーキテクチャの概要
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