高性能コンピューティング
高性能コンピューティング (HPC) は、従来、科学演算やスーパーコンピューターと同義でしたが、現在では高性能機能がさまざまな分野へと急速に普及しています。これには、クラウド コンピューティングおよび機械学習用のデータセンター CPU および GPU、業界の常識を覆すハイエンド デスクトップ向けの Ryzen™ Threadripper™ CPU、複数の次世代ゲーミング コンソール、そして本稿執筆時点 (2020 年) で世界最速の HPC スーパーコンピューターのうちの 2 つとなることが期待されている Frontier と El Capitan の駆動が含まれます。AMD リサーチの HPC 活動は、あらゆるタイプの AMD 製品の拡張パフォーマンスを維持するうえで必要な基本的なテクノロジを推進し続けています。HPC リサーチの重点分野は次のとおりです。
- GPU: 新たなハードウェア、新たなレベルの効率性、ハードウェアとソフトウェアの共同設計によるワークロード全体の適用性を向上させるため、GPU コンピューティングを改善する技術を革新しています。
- CPU: より高いヘテロジニアス化と高速化の追求は、アダムールの法則の影響を増大させます。そのため、CPU と SoC のマイクロアーキテクチャを継続的に推進し、GPU やその他のアクセラレータが最大限の能力を発揮できるようにしています。
- ソフトウェア: HPC は、ハードウェアの構築を高速化するだけでなく、ソフトウェアがハードウェアの機能を最大限に活用できるようにすることを目的としています。これには、アプリケーション、フレームワーク、コンパイラ、ランタイム、プログラミング モデル、その他の機能が含まれます。
- スーパーコンピューティング: AMD リサーチは、エクサスケールのテクノロジに関する高度な研究について、米国政府と緊密に協力してきました。Frontier や El Capitan などの HPC スーパーコンピューターの準備やエクサスケールを超える研究の実施にも引き続き取り組んでいます。
関連研究
HPC の代表的な発表論文:
HPC 向け AMD 製品
高度なメモリ テクノロジ
メモリ システムの革新的な研究は、私たちが悪名高き "メモリ ウォール" の問題を克服する取り組みを続ける中で、将来の製品にとって重要な要素になっています。AMD はメモリ システムのイノベーションにおいて長い歴史を持っています。AMD は、x86 プロセッサで最初に 64 ビット アドレス指定を導入し、最初にメモリ コントローラーを x86 プロセッサに統合し、最初に HBM メモリを量産製品に搭載して出荷した企業です。現在、AMD は、さまざまな分野における最先端の研究を通じて、メモリ テクノロジに関する新たな方向性を開拓し続けています。
- HPC メモリ システム: AMD リサーチは、ハイエンド スーパーコンピューター向けの高度なメモリ システムに関して重要な研究を実施し、AMD が次世代の Frontier および El Capitan エクサスケール システムを支える CPU と GPU のサプライヤーになることに寄与しました。ポストエクサスケール HPC システムだけでなく、データセンター、クラウド コンピューティング、機械学習においても、こうした取り組みを継続しています。
- メモリ内処理: データ移動に伴うエネルギーを削減するために、演算をオフチップ メモリ デバイスにオフロードする新たなメモリ内処理ソリューションを検討しています。また、データ圧縮と新たなメモリ テクノロジを統合して、オンチップ ストレージ密度の効果を高めています。
- マルチレベル インテリジェント メモリ: AMD リサーチは、新興メモリ技術を活用し、高性能、高信頼性で前例のない大容量を実現し、コスト効率とエネルギー効率に優れたソリューションをもたらす、インテリジェントなメモリ システム設計を創り上げています。
- 次世代のメモリ規格: AMD リサーチは、次世代の標準を規定する目的で、メモリ ベンダーと継続的に協力しています。現在 AMD は、自社製品に HBM2 メモリを搭載して出荷しており、将来世代の 3D スタックド メモリ標準を規定するために、メモリ ベンダーと緊密に連携しています。
関連研究
高度なメモリに関する代表的な発表論文:
高度なメモリ テクノロジ向け AMD 製品
マシン インテリジェンス
機械学習 (ML) は、世界最大級のスーパーコンピューターから小さなエンベデッド デバイスに至るまで、あらゆるものに影響を与え、あらゆる形態の演算における機能進化を支える主要な原動力の 1 つになっています。AMD の CPU、GPU、アクセラレータ、および APU は、ML のさまざまな導入に必要な演算機能と柔軟性を提供します。
マシン インテリジェンス研究の主眼は、あらゆる場所で AMD を ML のための望ましいプラットフォームにすることにあります。AMD リサーチの研究プロジェクトでは、さまざまな方向から潜在的なソリューションを調査しています。
- ハードウェア: マイクロアーキテクチャ、システム アーキテクチャ、メモリ システムを進化させることで、ML の高速化を実現
- ソフトウェア: ML アルゴリズムを将来の AMD プラットフォームに容易に導入できるようにするためのプログラミング モデルとツール
- 科学への機械学習 (ML) の応用: 機械学習を活用して、従来の HPC アプリケーションを強化し、科学的発見を加速
- シリコン設計への機械学習 (ML) 応用: ML を使用して、将来の AMD 設計で最適なパラメーターと設定を明らかにする
関連研究
代表的なマシン インテリジェンスの発表論文:
マシン インテリジェンスの製品
低消費電力
電力効率の向上は、データセンターの総所有コスト (TCO) の削減、ノート PC およびエンベデッド システムのバッテリ ライフの延長、熱ホットスポットの低減による効率的な冷却、高いピーク演算性能につながります。AMD リサーチでは、データセンター サーバーからクライアントやモバイル デバイスに至るまで、CPU や GPU を含む、AMD SoC の全範囲の電力効率の向上に重点を置いています。私たちの調査では、多面的なアプローチを活用して、積極的な電力効率目標を達成することを目指しています。
- 高度な電源制御: アプリケーションごとの消費電力を削減するため、AMD のアダプティブ電圧周波数スケーリング (AVF) テクノロジの最先端の拡張機能を検討しています。これにより、将来の配電ネットワークがオンデマンドの電力ニーズに迅速に対応できるようになります。
- 低電圧設計: 低電圧オンチップ ストレージ、適応型信号エンコーディング、非同期通信、ニアスレッショルド コンピューティングといった分野での革新的な研究を通じて、新たな電力節約の可能性を開拓しています。
- 電力効率に優れたシステム アーキテクチャ: 現在および将来のコア マイクロアーキテクチャ、SoC、および HPC システム向けの消費電力/パフォーマンスの高度な最適化を継続的に検討しています。これらの範囲は、システム/SoC/コア内のデータ移動を最小限に抑えることから、CPU ブロック内の微細な省電力機能まで多岐にわたります。
- 機械学習を駆動する設計: 最近のマシン インテリジェンスの急増に牽引された低消費電力設計の新たな画期的な道を模索しています。
関連研究
低消費電力に関する代表的な発表論文: