Darren Grasby からのメッセージ

パートナーの皆様へ

2025 年を振り返り、最も印象深かったのは市場の活動規模の大きさだけではありません。私たちチームが一丸となり、その勢いを確かな成果へと変換し、お客様に提供できたことです。日々のご協力、信頼、ご尽力に、心より感謝申し上げます。

2025 年は、AI、ハイパフォーマンス コンピューティング、そして最新のクライアント プラットフォームが、有望な概念であるという段階から、組織が活動し競争するうえで不可欠なツールへと進化した 1 年となりました。私たちは、これらのテクノロジが多くの業界で確かな影響を生み出していることを目撃しました。その影響は、皆様が AMD ソリューションをお客様のために具現化することによってさらに促進されています。

このような進歩は、決して単独では実現しません。皆様の専門性、実行力、そして可能性に対する共通の信念が、私たちを前進させ続けるのです。このような協働態勢に深く感謝すると共に、今後の私たちの機会に胸を躍らせています。つまり、お客様が迅速に、自信と目的意識をもってイノベーションを起こせるようお手伝いできるということです。

2025 年の決定的瞬間を振り返る

私たちは、皆様との緊密なパートナーシップを重視し、お客様により多くの価値を届けられるよう取り組み続けています。また、迅速なイノベーションを推進し、共有する目標に向かって共に前進し続けることに尽力しています。  

今年も印象的な瞬間がいくつかありました。それらは私たちが共に成功する姿を象徴するものです。

  • まず、大規模な OpenAI との複数年にわたるパートナーシップを発表しました。来年より、AMD Instinct™ GPU を合計 6 ギガワット分供給していきます。

  • Advancing AI イベントでは、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) が、新しい AMD Instinct™ MI355X GPU を初めて採用および導入するハイパースケーラーになることを発表しました。

  • さらに、AMD Instinct™ MI355X GPU を搭載し、OCI、HPE、ORNL とのパートナーシップにより発表された、国内初の専用 AI ファクトリー スーパーコンピューターを導入しました。これは、AI 分野における米国エネルギー省のリーダーシップを拡大し、AI、エネルギー研究、材料科学、医学、高度製造などの分野における進化を加速させるものです。

  • また、HPE が AMD Instinct™ GPU "Helios" AI ラック ソリューションを採用する最初の OEM の 1 社となることを発表しました。Broadcom と共同開発した専用設計の HPE Juniper Networking スイッチと組み合わせることで、大規模な AI クラスター向けの広帯域幅かつ低遅延のパフォーマンスが実現します。さらに、HPE と共同構築し、AMD Instinct™ MI430X GPU および次世代 AMD EPYC™ サーバー CPU を搭載した新スーパーコンピューター "Herder" を導入しました。これは、欧州における先進的な HPC およびソブリン AI 研究を支えるものです。

  • 引き続き、Microsoft や Meta などの主要パートナーとの協働関係を深化させ、Cocreator などの新たな Microsoft Copilot+ AI エクスペリエンス向けに AMD テクノロジを最適化すると同時に、インフラストラクチャへのコミットメントや AI 開発イニシアチブを共に推進しています。

  • AMD Ryzen™ 9000X3D プロセッサおよび AMD Ryzen™ Threadripper™ 9000 シリーズ デスクトップ プロセッサ、AMD Ryzen™ 9000 HX プロセッサと Ryzen™ Z2 シリーズ モバイル プロセッサを発表し、人々が自分らしく仕事をし、遊び、創造する能力をさらに高められるようにすることに焦点を当てました。

  • AMD Radeon™ RX 9000 シリーズ GPU、AMD Instinct™ MI350 シリーズ プロセッサ、AMD Radeon™ AI PRO R9700 GPU により、グラフィックス ポートフォリオを拡充しました。これらのプラットフォームにより、多様な分野のお客様が、パフォーマンス、効率性、AI 対応において意味のある進化を実現できます。

  • データセンター分野では、AMD EPYC™ 4005 シリーズ サーバー CPU をリリースすることで、パフォーマンスと効率性および手頃な価格のバランスを実現する新たな選択肢を中堅企業のお客様にお届けしています。これらの構成は、お客様が競合他社のソリューションと比較してデータセンターの占有面積を大幅に削減し、環境を拡張しながらコストとエネルギー使用量を低減するのに貢献しています。1

  • 私たちは、これまでで最も充実した商用ノート PC ラインナップを発表し、世界中の企業にかつてない選択肢と汎用性をお届けしています。

  • AMD Ryzen™ AI 300 シリーズ プロセッサによって進化した、150 を超えるデザインの次世代 Copilot+ PC を導入しました。

  • AMD Radeon™ RX 9070 XT GPU は、当社のグラフィックス製品の中で最も強力なリリースの 1 つとなりました。これは、お客様の明確な需要を反映したものであり、またチーム全体の緊密な協働による実行力を示しています。

  • AMD Ryzen™ AI MAX 300 シリーズ プロセッサは、AI とエッジ コンピューティングの能力を向上させたことで、メディアや業界の評価機関から肯定的な評価を得ました。

統合ソリューションによる顧客体験の向上

当社のハードウェアが真の潜在能力を発揮できるのは、ソフトウェア チームによる並行した取り組みがあってこそです。ソフトウェア チームの尽力は、お客様が新たな可能性を切り開き、あらゆるプロセッサ、グラフィックス カード、アクセラレータが重要な場面で意味のあるパフォーマンスを発揮するうえで大きな役割を果たしています。

コンシューマー分野では、AMD FidelityFX™ Super Resolution 4 を導入し、さらに最近では AMD FSR™ "Redstone" テクノロジを発表しました。機械学習を活用したこれらのテクノロジは、AMD RDNA™ 4 グラフィックスに優れたパフォーマンスと視覚的忠実度をもたらし、ゲーマーに今まで以上に高い柔軟性を提供します。これによってゲーマーは、既存のシステムから最大限の価値を引き出すことが可能になります。

開発者向けには、AMD ROCm™ 7 ソフトウェアの導入によって AI ソフトウェアの能力を拡張しました。このリリースは、前世代から著しいパフォーマンスの向上をもたらし、最新のモデル、アルゴリズム、ハードウェアをサポートします。2 ROCm 7 の目標はシンプルです。それは、開発者が AI を用いてより簡単かつ迅速に構築、拡張、イノベーションを実現できるようにすることです。

輝かしい来年に向けて

2026 年を見据え、皆様とのパートナーシップの強化はこれからも私と AMD 全体の最優先事項です。私たちの意図は明確です。皆様の成長を支援し、新たな機会が訪れたときには迅速に対応できるようお手伝いすることです。

その実現のために、2026 年を通して一連の取り組みを導入します。具体的には、コマーシャル パートナー向けのトレーニングおよび認定制度の拡充、報酬体系のアップデート、チャネル ツールの強化などです。また、中堅企業のお客様からの需要が最も高まっている領域に特に注力し、皆様が自信を持って事業を拡大できるようサポートします。これらの投資はより広範な取り組みの始まりに過ぎません。共に耳を傾け、学びながら事業を継続的に発展させていきましょう。

年末年始の時期にあたり、皆様、そしてご家族の皆様のご多幸をお祈り申し上げます。本年におけるご協力に心から感謝すると共に、2026 年に皆様と成し遂げるであろう成果を楽しみにしています。

今後ともよろしくお願いいたします。

Darren Grasby
エグゼクティブ バイス プレジデント兼最高営業責任者兼 AMD EMEA 地域プレジデント

AMD アリーナ


AMD Ryzen™ PRO、AMD EPYC™、AMD Instinct™ などに関するトレーニングで、AMD 製品の知識を深めることができます。

脚注
  1. 9xx5TCO-005 - このシナリオには多くの仮定と推定が含まれており、AMD の内部調査と最良近似に基づいています。このシナリオ中に示される数値は、情報提供のみを目的とした例であり、実際のテストに対する意思決定の基礎としては使用しないでください。AMD サーバーと温室効果ガス排出量 TCO (総所有コスト) 評価ツール (バージョン 1.3) では、2024 年 11 月 21 日時点において、SPECrate®2017_int_base で 391000 ユニットの TOTAL_PERFORMANCE を実現するために必要となる特定の AMD EPYC™ と Intel® Xeon® CPU ベースのサーバー ソリューションを比較しています。この推定値は、スコア 391 のレガシ 2P Intel Xeon 28 コア Platinum_8280 ベースのサーバー (https://spec.org/cpu2017/results/res2020q3/cpu2017-20200915-23984.pdf) と、スコア 3100 の 2P EPYC 9965 (192 コア) 搭載サーバー (https://spec.org/cpu2017/results/res2024q4/cpu2017-20241004-44979.pdf) からのアップグレードを比較しています。環境負荷の試算は、このデータを活用し、「Country Specific Electricity Factors – 2024」の国/地域特定の電気要因、および米国環境保護庁の Greenhouse Gas Equivalencies Calculator を使用しています。

  2. MI300-080 - 2025 年 5 月 15 日に AMD パフォーマンス ラボでテストを実施しました。このテストでは、バッチ サイズが 1 ~ 256 でシーケンス長が 128 ~ 204 の Llama 3.1-70B (TP2)、Qwen 72B (TP2)、Deepseek-R1 (FP16) モデルを実行する (8) AMD Instinct MI300X GPU を搭載したシステム上で、AMD ROCm 6.x ソフトウェア (vLLM 0.3.3) と、AMD ROCm 7.0 プレビュー版 SW (vLLM 0.8.5) の推論性能をトークン数/秒 (TPS) で測定しました。記載されている性能向上は、テストした (3) LLM の平均 TPS です。

    ハードウェア構成
    AMD Instinct™ MI300X (192 GB、750 W) GPU 8 基搭載の 1P AMD EPYC™ 9534 CPU サーバー、Supermicro AS-8125GS-TNMR2、NPS1 (1 ソケットあたり 1 NUMA)、1.5 TiB (24 DIMM、4800 mts メモリ、64 GiB/DIMM)、4x 3.49 TB Micron 7450 ストレージ。BIOS バージョン: 1.8

    ソフトウェア構成
    Ubuntu 22.04 LTS + Linux kernel 5.15.0-119-generic
    Qwen 72B および Llama 3.1-70B -
    ROCm™ ソフトウェア 7.0 プレビュー版 SW
    PyTorch 2.7.0。Deepseek R-1 - ROCm 7.0 プレビュー版、SGLang 0.4.6、PyTorch 2.6.0

    Qwen 72 および Llama 3.1-70B - ROCm 6.x GA SW
    PyTorch 2.7.0 および 2.1.1
    Deepseek R-1: ROCm 6.x GA SW
    SGLang 0.4.1、PyTorch 2.5.0

    サーバー メーカーの構成によって、異なる結果が生じる場合があります。構成、ソフトウェア、vLLM のバージョン、最新ドライバーの使用、最適化の状態により、パフォーマンスが異なる可能性があります。