Chaos は HIP を採用し、V-Ray GPU で AMD Radeon™ アクセラレーションを解放
Chaos はオープンソース HIP ツールキットを使用することで、業界をリードする V-Ray レンダラーの GPU 機能を移植して、AMD GPU のパワーを活用できました。
20 年以上にわたり、Chaos の V-Ray はアーティストのツールキットに不可欠な存在となっています。このフォトリアリスティックなレンダリング エンジンは現在、建築の専門家を対象とした調査によると、建築のビジュアライゼーションに最も広く使用されているレンダラーであり1、『デッドプール』、『アントマン』、『アガサ・オール・アロング』など、幅広いコマーシャル、ゲーム シネマティック、映画、テレビ番組の VFX を作成するために利用されています。V-Ray は既に AMD CPU 上で優れた性能を発揮していますが、Chaos は Radeon GPU のサポートを追加しました。AU 2025 Design and Make カンファレンスにおいて、Chaos は AMD Radeon™ GPU で動作する V-Ray GPU のデモを展示しました。V-Ray のコードベースに対するこれらの変更により、ユーザーは手頃な価格で高性能な AMD Radeon™ PRO GPU や AMD Ryzen™ AI Max+ プロセッサなど、より幅広いハードウェアを自由に選択できるようになります。
V-Ray が AMD ハードウェアのパワーを活用する方法
V-Ray はユーザーに 2 種類のレンダリング エンジンを提供します。CPU エンジンは、超高解像度の建築パースや、最終品質の複雑な視覚効果のレンダリングなど、非常に負荷の高いタスクに使用されており、AMD のプロセッサ上で見事に性能を発揮しています。2025 年 8 月の時点で、Chaos が公開している V-Ray Benchmark で報告された上位 10 件のスコアは、すべて AMD EPYC™ または AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO CPU によるものです。2
一方で、GPU アクセラレーション対応レンダリング エンジンには、より大きな課題がありました。V-Ray GPU は開発プロジェクトでのインタラクティブなビジュアル フィードバックにも使用されていますが、従来のレンダリングエンジンは NVIDIA GPU しかサポートしていませんでした。これは、Windows ユーザーは NVIDIA のグラフィックス カードしか使用できないことを意味しました。コードの複雑さを考えると、Chaos にとって、ほかのハードウェアをサポートするために別のコードベースを維持することは困難でした。
HIP のおかげで開発者はコードを 2 度書くことなく AMD GPU に対応
その解決策が HIP (The Heterogeneous-Compute Interface for Portability) でした。OpenCL とは異なり、オープンソースの HIP ツールキットを使用すると、開発者は既存の CUDA 対応 GPU アプリケーションを移植して AMD プロセッサ上で動作させることができます。新しいコードベースを作成して維持する必要はありません。
「HIP は、ほかのアーキテクチャの仕組みに非常に近いものです」と語るのは、Chaos のイノベーション ヘッドであり、V-Ray に関する業績によってアカデミー賞を受賞した Vladimir Koylazov 氏です。「確かに API は違いますが、すべてを一から書き直さなければならないほど違うわけではありません」
HIP により、Chaos は V-Ray GPU コアコードを AMD プロセッサに移植
AMD のエンジニアリング チームとの協力により、Chaos は 1 年以内に、V-Ray GPU のコードを AMD Radeon GPU 上で動作するように移植できました。「HIP は、V-Ray GPU のような複雑なコードの処理において、かつての OpenCL よりも優れています」と Koylazov 氏は言います。「ほかのプラットフォームの V-Ray GPU でサポートしているすべてが AMD GPU でサポートされるようになりました」。Chaos はこの変更を V-Ray のすべてのエディションに順次ロールアウトしていく予定です。これにより、Blender、3ds Max、Maya、SketchUp、Revit、Rhino といった業界を代表するさまざまな 3D デザイン アプリケーションで、AMD GPU を使用して V-Ray GPU を高速化できるようになります。
HIP により、V-Ray ユーザーは自分に最適なハードウェアを選択可能に
このアップデートにより、V-Ray ユーザーは AMD Radeon™ PRO W7000 シリーズ GPU など、幅広いワークステーション グラフィックス カードから選択できるようになります。「ユーザーが AMD の GPU でソフトウェアを実行できるのは素晴らしいことです」と、Koylazov 氏は言います。「誰もが結果をいっそう速く欲しがっており、[強力な GPU を使用することで] それが実現するのですから」。また、Chaos は、AMD Ryzen™ AI Max+ プロセッサの統合グラフィックス プロセッサ上で V-Ray GPU をテストしています。この環境では、V-Ray が大容量の共有メモリを活用できるというメリットがあります。新しい 128 GB Ryzen™ AI Max+ 395 プロセッサでは、AMD 可変グラフィックス メモリにより、最大 96 GB の統合メモリを VRAM として割り当てることができます。
AMD と HIP: V-Ray ユーザーのための最強の組み合わせ
HIP のおかげで、Chaos は V-Ray GPU の既存のコードを移植し、AMD ハードウェアの独自機能を利用できるようになりました。リリースされれば、建築や視覚効果の専門家は、強力な AMD Radeon™ Pro ワークステーション GPU を搭載したデスクトップ システムや、最先端の AMD Ryzen™ AI Max+ プロセッサを搭載したノート PC など、はるかに幅広い制作用ハードウェアから自由に選択できるようになります。
「CPU でも GPU でも、ユーザーがハードウェアを選択できることが重要だと思います」と、Koylazov は言います。「業界全体を後押しすることにもなります。[GPU の選択肢が] 1 社に限られている状況では、それがどんなに優れていても、必ずしも良いことではありません」
Koylazov 氏はまた、開発プロセス中に AMD が Chaos に提供してくれた「本当に素晴らしいサポート」を高く評価しています。「私たちが受けたサポートの量は、私の期待をはるかに超えていました」と言います。「どのような問題に直面しても、AMD は解決策やコードの修正案を示して、機能するようにしてくれました。とても活発なコラボレーションでした」
お客様に関する情報
Chaos は 1997 年に設立され、想像的なアイデアを形にできるよう支援する、世界トップクラスのビジュアライゼーションおよびデザイン ソリューションを提供しています。建築、デザイン、メディア、エンターテインメント、商品の E コマースなど、さまざまな業界にサービスを提供しており、使いやすいツールのエコシステムによって設計および制作プロセスのあらゆる段階を支援しています。その革新的なソリューションは、建築家、デザイナー、VFX アーティスト/アニメーターなどのクリエイティブな専門家が、アイデアを共有し、ワークフローを最適化し、臨場感あふれる体験を生み出すのに貢献しています。詳細については、chaos.com をご覧ください。
ケース スタディに関する情報
- 業界:
建築、エンジニアリング、建設
メディア & エンターテイメント - 課題:
業界をリードする V-Ray レンダラーを更新して AMD GPU をサポートすることで、カスタマーの選択肢を広げる - ソリューション:
Heterogeneous-Compute Interface for Portability (HIP) を使用して既存の V-Ray GPU コードを更新し、AMD GPU とプロセッサをサポートする - 結果:
V-Ray GPU のコードベースの複雑さにもかかわらず、Chaos は GPU レンダラーに AMD プロセッサのサポートを 1 年以内に実装し、AU 2025 カンファレンスでその結果を公表 - AMD テクノロジ概要:
HIP API とカーネル言語
AMD Radeon™ PRO W7000/W6000 シリーズ GPU
AMD Ryzen™ AI Max PRO シリーズ プロセッサ
最新情報を入手
AMD の最新情報を入手
AMD のビジネス向けソリューションに関する詳細情報をご提供いたします。AMD がお客様の組織をどのようにサポートできるかについて、ぜひ当社チームにご相談ください。