AMD Versal RF シリーズ
18 GHz の RF-ADC と RF-DAC をハード IP ブロック、プログラマブル ロジック、DSP エンジン、AI エンジンと統合し、SWaP に最適化したアダプティブ SoC。
高性能演算と最適化された SWAP で電磁スペクトラム作戦 (EMSO) を可能にします
AMD の最先端ソリューションは、今日の電磁スペクトラム作戦 (EMSO) システムのミッションを成功に導くと同時に、これらのシステムの将来への対応を可能にします。AMD Zynq™ UltraScale+™ RFSoC や AMD Versal アダプティブ SoC などのアダプティブ SoC は再プログラム可能なため、波形やアルゴリズムを変更できます。また、プログラマブル ロジックの並列処理機能、AI エンジン、スーパーサンプル レートでの信号処理専用のブロックを活用できます。
Zynq UltraScale+ RFSoC および Versal RF シリーズでは、RF データ コンバーターを FPGA に直接統合することで、データ コンバーターと演算ダイの間でのデータ転送に使用される高速シリアル インターフェイスを排除し、SWAP を軽減しています。
大型の Versal SoC は、AI エンジンの並列演算密度とプログラマブル ロジックの柔軟性を兼ね備えています。Versal RF シリーズは、FFT やフィルターに特化された信号処理ブロックを備えています。 この両イノベーションにより、Versal デバイスは広い瞬時帯域幅や大型アレイの処理に最適なプラットフォームとなっています。
Versal RF アダプティブ SoC は広帯域のデータ コンバーターを備えており、X 帯と Ku 帯の直接サンプリングが可能なことから設計が簡素化され、レーダーなどの EMSO に最適です。
適応型ビームフォーミングは、スペクトラムが競合する環境で正確な追跡や誘導が必要になるフェーズド アレイ レーダー システムに標準装備される技術です。Versal アダプティブ SoC により、レーダー設計者はもはや、性能か SWAPC かの二者択一を迫られることはありません。Versal アダプティブ SoC のアダプティブ ビームフォーミング ソリューションはデータ型に依存しないため、設計者は任意の DSP データ型 (固定小数点、浮動小数点、ダブル) を使用して AI エンジンと DSP エンジンで高速処理が可能になります。Versal プレミアム アダプティブ SoC は、複雑な乗算累積演算に対応する固定小数点と、より大きな行列演算に対応する浮動小数点をサポートする完全なソリューションを提供します。112G PAM4 トランシーバーと電力効率が最適化された ASIC のようなコアを搭載した Versal プレミアム アダプティブ SoC はイーサネット、PCIe®、Interlaken、SRIO などの任意のカスタム インターフェイスに対応し、バックエンド処理への安全なネットワーク接続を可能にします。
Zynq UltraScale+ RFSoC には、スケーラブルで多機能のフェーズド アレイ レーダー向けの単一チップ TRX モジュールがあります。これにより、低レイテンシでの送受信が可能になり、早期警戒時に最適な応答時間が可能になります。
Zynq UltraScale+ RFSoC は 16 個の 2.5GSPS ADC と 16 個の 9.851GSPS DAC をモノリシックに統合し、デジタル レーダー アレイの世界で卓越した性能を発揮します。コヒーレンシを維持する目的で設計された Zynq UltraScale+ RFSoC は、2 ~ 数千の要素を備えるレーダー サイズまで拡張可能です。4200+ DSP、16 x 32g GT、ADC、DAC、Quad A53、内部 RAM など必要なものをすべて備えたデザインです。あとは、アンテナ、電源、クロック、カスタム レーダー コードを追加するだけです。このようなシステムをディスクリート コンポーネントで構築する場合を想像してみてください。VPX カード ラック、高消費電力で高レイテンシの JESD204b データ コンバーターを追加する必要があるだけでなく、厳しい要件でコストのかかる ADC/DAC のレイアウト設計が必要になります。
Zynq UltraScale+ RFSoC へのマッピングにより、ARM® プロセッサ、並列演算、および強化された信号処理との連携が可能になります。レシーブ ブロックとエキサイター ブロックでは、デジタル アップ/ダウン コンバージョンなど、RF コンバーター ブロックのハード化された信号処理を利用します。プログラマブル ロジックには低レイテンシの並列処理が実装されており、ビームフォーミングやサンプル レート処理などの機能を実現します。決定論的性能を得るためには、CFAR、スケジューラ (レーダー用)、または電子妨害技術、エミッター ID (EW 用) をリアルタイム処理コアにマッピングできます。また、コマンド、制御、および残りのパルス レート処理は、Arm コアにマッピングできます。
電磁スペクトラム作戦 (EMSO) は、スペクトラムが混雑し、競合するようになるにつれ、その難易度が増しています。Versal RF シリーズは、高度に最適化されたモノリシック SWaP 効率の高いデバイスで、EMSO の機能に対応します。Ku バンドまで対応する 32 GSPS データ コンバーターと新しいハード IP ブロックを搭載した Versal RF シリーズは、Zynq UltraScale+ RFSoC の機能と Versal プレミアム シリーズの高 DSP 数を 1 つの Versal RF シリーズ デバイスに統合しています。
パートナー |
ソリューション分野 |
ボードとソリューション |
Mercury |
エンベデッド |
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Annapolis Micro Systems (AMS) |
エンベデッドおよびソフトウェア |
WILDSTAR 3XR2 3U Open VPX (WB3XR2) |
Curtiss Wright |
エンベデッドおよびソフトウェア |
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Expedition Technology |
DO-178 およびエンベデッド |
AMD Versal アダプティブ SoC をレーダーの時空間適応処理に応用する方法をご紹介します。
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