ASE、AMD CPU を使用して性能向上と消費電力削減を実現
ASE は AMD EPYC™ および Ryzen™ CPU を採用し、データセンターの演算リソースを 2.5 倍に拡大。その結果、クライアント PC ユーザーの生産性が 30% 向上しました。
台湾の Advanced Semiconductor Engineering Inc. (ASE) は、コンピューター チップ パッケージのテストとアセンブリ分野で業界をリードしています。この分野では、設計や製造と同等の高い演算処理能力が必要です。ASE は、スマート ファクトリーとエンジニアリング専門家のクライアント システム向けに、常に最高のパフォーマンスを求めています。AMD EPYC™ プロセッサと Ryzen™ プロセッサは、同社が必要としていたプロダクション データセンターの効率化と、最も負荷の高いエンドユーザー ワークロードにおいてデジタル トランスフォーメーションを実現するために最適なソリューションでした。
「ASE は、お客様の多様なニーズに対応するために、半導体アセンブリとテストのワンストップ ソリューションを提供しています」と、ASE の IT インフラストラクチャ担当ディレクター、Jekyll Chen 氏は語ります。「最先端技術、データ分析、AI をはじめとする新技術を組み合わせることで、幅広い業界においてお客様が新たな成長機会を実現できるようお手伝いしています」
顧客基盤が広いため、ASE のインフラストラクチャには高いパフォーマンスが求められています。「AI アプリケーションやスマート ファクトリー向けの最先端技術など、大量のデータ分析を処理する必要があります」と Chen 氏は述べています。「当社は多数の半導体企業をサポートしています。当社の課題は、ASE の ESG 方針に沿った高パフォーマンス、低レイテンシ、高コア数を実現することにあります。安定性とスケーラビリティが主要な目標です」

データセンターとクライアント システムに要求される高負荷演算処理
ASE は、クライアント システムおよびデータセンター サーバーのアップグレードを検討していました。「クライアント PC には、業務の生産性ニーズを支えるため、高いパフォーマンス、低消費電力、強力なマルチタスク処理能力が求められます」と Chen 氏は言います。「IT 部門の主な役割は、効率の向上と、メンテナンスおよび運用のニーズに応えることです。スマート ファクトリーの自動化能力を向上させるには、ビッグ データ分析と AI モデルが必須です。クライアント PC は、管理業務のデジタル トランスフォーメーションをサポートする機能を備えていなければなりません」
これらの要件を満たすために、ASE は AMD の CPU を検討し始めました。「私たちは、AMD の Dr. Lisa Su が国際イベントで発表した内容や、IT 業界の CIO によるベンチマーク調査などから、AMD の技術を知りました」と Chen 氏は言います。「EPYC CPU と Ryzen CPU については、ビジネス パートナーから情報を得ました。AMD EPYC プロセッサと Ryzen プロセッサのメリットについて聞いた後、自社で概念検証を実施しました。当社のニーズを満たすソリューションのカスタマイズにおいては、HPE が重要な役割を果たしました。ハードウェアの設計と互換性に関してサポートを提供し、サーバーが当社のパフォーマンス、安定性、管理性の要件を確実に満たすよう支援してくれました」
「データを処理し、AI アルゴリズムを実行するとともに、スマート ファクトリーで求められる柔軟性を保ちながら、すべてをスムーズかつ効率的に稼働させなくてはなりません」と Chen 氏は言います。「クライアント PC は、エンジニアリング設計の要件とデジタル トランスフォーメーションの高性能目標を満たす必要があります。さらに、新しいサーバーについて性能、安定性、コア数、効率性、総所有コスト (TCO)、AI 処理速度、マルチタスク処理能力を評価しました。これらの要素を総合的に評価した結果、AMD がクライアントのニーズとデータセンターに最適なソリューションであると判断しました。コア数の多い AMD EPYC CPU を使用することで、消費電力を削減しながら演算性能を向上させることができました。つまり、演算リソースを 2.5 倍に拡大できるのです。AMD Ryzen CPU を採用したことで、クライアント PC のパフォーマンスはデータ変換、ファイル変換、グラフィック レンダリングにおいて大幅に向上し、以前のシステムと比べて従業員の生産性が 30% 向上しました」

AMD で応答時間の短縮と総所有コスト (TCO) の削減を実現
ASE は、AMD CPU への移行は非常にスムーズなプロセスであったと評価しています。「AMD EPYC CPU は仮想化ハイパーバイザーとの互換性が非常に高いため、調整はほとんど必要ありませんでした」と Chen 氏は言います。「移行は簡単でした。AMD EPYC テクノロジは、当社の多くのシステムとアプリケーションの応答時間の改善に貢献しました。特にインターネットやウェブ関連のアプリケーションでは、応答時間が最大 70% 短縮されています。従来のシステムと比べて、多くの面で改善が見られました。現在、当社のウェブ関連アプリケーションの大半で AMD プロセッサが導入されています」
「従来のアーキテクチャではより多くの演算ノードが必要でしたが、AMD EPYC CPU はソケットあたりのコア密度が高く、仮想化の密度が大幅に改善されました」と Chen 氏は言います。「演算ノードに必要なサーバー台数が半減しました。AMD EPYC CPU は、AI のニーズにも対応しています。EPYC CPU は、当社の GPU と連動して AI アルゴリズムを高速化し、グラフィックス認識や数値認識、自然言語処理にも役立っています」
「AMD EPYC CPU はコア数が多いため、従来システムと比較してパフォーマンスが 50% 向上し、消費電力は 6.5% 削減されました」と Chen 氏は言います。「AMD CPU の高コア数は当社にとって大きな強みです。同一のハイパーバイザーを利用するデータセンターでは、AMD EPYC CPU の導入により、仮想マシンの数を 50% 増加させることが可能になりました。総所有コスト (TCO) は 30% 以上削減されました」

パフォーマンスの向上と消費電力の削減
ASE のクライアント PC ユーザーからも同様に好ましい結果が得られました。「クライアント システムに導入された Ryzen プロセッサは、デジタル トランスフォーメーションに大きく貢献しています」と Chen 氏は言います。「これらのプロセッサのおかげで、設計とシミュレーションにおけるエンジニアの速度とイノベーションが向上し、現在取り組んでいるプロジェクトの複雑さが大幅に軽減されました」。また、クライアント システムは、ASE による Windows 11 展開の支援にも貢献しています。「Ryzen CPU は Windows システムとの互換性が高いため、今後も継続して採用していきます」
「AMD プロセッサは高コア数で低消費電力であることから、当社の ESG 目標の達成にも貢献しています」と Chen 氏は言います。「クライアント システムとサーバーにおいて、大きな効果を実感しています。AMD プロセッサは、当社で最も重要なマシンと機器に広く採用されています。社内の重要なシステムにおいては、AMD の採用率は非常に高くなっています。クライアント環境でも、エンジニアリング設計のような高負荷アプリケーションには AMD ソリューションが採用されています。これらのユーザー ワークロードにおける AMD の採用率はさらに高くなっています。サーバーには第 4 世代 AMD EPYC 9374F CPU を購入し、クライアント PC には常に、市場で入手可能な最新の CPU を採用しています。これが当社のポリシーです」
「サーバーの自動化およびデジタル ツイン運用の要件を満たすために、今後は常に最新の EPYC プロセッサを導入していきます」と Chen 氏は結論付けています。「当社の工場およびオフィス全体で、引き続き AMD 製品を採用していく予定です。AMD EPYC CPU と Ryzen CPU は、卓越したパフォーマンスを発揮するとともに、電力効率の向上にも大きく寄与しています。当社の用途に最適な製品です。高性能、低消費電力、低レイテンシ、高コア数ソリューションを求める企業には、AMD EPYC CPU と Ryzen CPU をお勧めします」
お客様に関する情報
Advanced Semiconductor Engineering, Inc. (ASE) は ASE Technology Holding Co., Ltd. (NYSE: ASX、TAIEX: 3711) 傘下の企業であり、半導体製造サービス (アセンブリおよびテスト) の分野で世界トップクラスのサービス プロバイダーです。実績のあるアセンブリおよびテスト技術の幅広いポートフォリオに加え、ASE は革新的で先進的なパッケージングである VIPack™ やシステム イン パッケージ ソリューション (SiP) を提供し、AI、オートモーティブ、5G、ハイパフォーマンス コンピューティングなど、幅広いエンド マーケットの成長に対応しています。生活の質の向上と効率化を目標とした SiP、ファンアウト、MEMS およびセンサー、フリップ チップ、2.5D、3D、TSV 技術における ASE の最新の取り組みについては、次のリンクをご覧ください。ASE ウェブサイト、または LinkedIn および X の@aseglobal で ASE をフォローしてください。
ケース スタディに関する情報
- 業界:
半導体のテストおよびパッケージング - 課題:
データセンターのパフォーマンスを向上させながら消費電力を削減し、最も負荷の高いワークロードを扱うクライアント PC ユーザーの生産性を向上させる - ソリューション:
データセンターに第 4 世代 AMD EPYC™ 9374F CPU、クライアント PC に AMD Ryzen™ CPU を展開する - 結果:
演算リソースが 2.5 倍に増加、ウェブ アプリケーションの応答性能が 70% 改善、仮想化サーバーの必要数が半分に削減されてパフォーマンスが 50% 改善、消費電力が 6.5% 低減、総所有コスト (TCO) が 30% 低減。結果として、クライアント PC ユーザーの生産性が 30% 向上 - AMD テクノロジ概要:
第 4 世代 AMD EPYC™ 9374F CPU
AMD Ryzen™ CPU
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