Smurfit Westrock、AMD で AWS コストを削減してイノベーションに投資
Smurfit Westrock は、AMD EPYC™ CPU 搭載の AWS クラウド インスタンスに切り替えることで、コストを 25%、二酸化炭素排出量を 10% 削減しました。
概要
紙類および梱包材を扱う世界最大級の企業である Smurfit Westrock には、大規模な IT 要件があります。それは一般的なコンピューティングから同社の巨大な製紙工場で稼働する装置にいたるまで、すべてに行き渡るものです。その 350 の製造施設は、欧州、南北アメリカ、アフリカの 40 拠点に展開しています。Smurfit Westrock は常に、その巨大なインフラストラクチャ全体でのコスト削減の可能性を探っており、もしそこで資金を確保できれば事業の発展に活用できます。AMD EPYC™ プロセッサ搭載の AWS インスタンスへの切り替えは、まさに同社が必要としていた成果をもたらしました。
Smurfit Westrock のシニア クラウド エンジニアである Thomas Burke 氏はこう述べています。「当社には何百もの AWS アカウントがあります。何千もの EC2 インスタンスをサポートし、加えて、チームが構築とサポートを支援するその他のサービスが Amazon だけでも 100 以上あります。6 年前のちょうど今頃、当社はクラウドファーストのアプローチを始動させました。クラウドを導入してから数年間、コストは年々大幅に増加しました。とりわけ、大規模データセンターをクラウドに移行した後の増加は顕著でした。そのため当社は、クラウドのコスト削減と最適化の目標の達成に重点を置くようになりました」

AMD EPYC CPU に簡単に切り替え
Smurfit Westrock はそのクラウド群全体で広範囲のさまざまなソフトウェアを実行しています。Burke 氏はこう述べています。「当社は何千ものビジネス アプリケーションを抱えています。数多くの重要なアプリケーションをクラウドで実行していますが、それらは各プラントと製紙工場での製造作業のサポートに不可欠なものです。また、仮想デスクトップ (VDI)、コンフィギュレーション管理 (CMDB)、エンタープライズ リソース プランニング (ERP)、ならびに大規模な企業なら必要となるあらゆる標準機能を含む、広範な、標準の企業向けソフトウェア ソリューションを活用しています」。これらのほとんどが商用オフザシェルフ (COTS) アプリケーションです。
Burke 氏はこう続けます。「これまで当社は、オンプレミス データセンターを数多く保有していました。その後、AWS を採用することになりました。当社は常々、AMD という選択肢とそのインスタンス タイプの幅広さに興味を持っていました。AWS の re:Invent では、特に AMD 搭載の第 6 世代と第 7 世代である R6a と R7a の比較に重点を置いた、価格とパフォーマンスの違いを紹介する AMD のセッションに当社チームが参加しました。そして 2023 年 10 月からの本事業年度、当社は一致団結して、インスタンスのフットプリントの大部分を切り替えて AMD ハードウェアを AWS で使用し、コスト削減を図ることにしたのです。また私たちは、AMD への切り替えを、すでに実施しているワークフローのサイズ適正化の取り組みの一部に含められることに気がつきました」
Burke 氏はこう述べています。「私たちは、従業員が不安を感じることがないよう、まず非本番ワークロードを使用して AMD への切り替えを開始しました」。これには、AMD と AMD 以外のインスタンス間で実施した CPU とメモリ使用率の比較テストも含まれています。「AMD EPYC プロセッサ搭載の AWS インスタンスに切り替えても使用率メトリクスはまったく変わりませんでした。AMD 以外のインスタンスからの移行は AWS コンソールでわずか 3 分で完了し、とてもスムーズなものでした。切り替え中、ステータス チェックで失敗することも何度かありましたが、その時は最新のハードウェアである利点を生かしてドライバーをアップデートするだけで解決できました」

AMD で実現する大幅なコスト削減
「私たちは AWS システム管理を使用して、会社全体の Windows ドライバーを更新します。その後、ステータス チェックをパスして AMD CPU 搭載のインスタンス タイプへの切り替えを完了します」と Bruke 氏は説明します。「このワークフローを大規模に円滑に実行するために、私たちは社内で構築した自動化を使用して、AWS 組織全体の、多数の地域にある数百のアカウントにわたってこの変更を実施します。当社には毎月のメンテナンス期間があり、切り替えもしくはサイズの適正化、またはその両方を行い、健全性の検査も実施しています。これらはすべて自律的な動作です。ステータス チェックに引っかかっても、『ドライバーの更新』を選択するだけで次の実行時には成功します。日常的に行わなければならない作業の中でもこれは特に簡単にできるものです」
Burke 氏はこう述べています。「今事業年度の始まり、つまり 2023 年 10 月から現在までで、当社による解析では、AMD プロセッサを搭載したインスタンス タイプは、AWS 環境において仮想コアあたり 25% 低いユニット コストを実現しました。今年度の目標の 1 つは、既存のインスタンス群の 40% を AMD、主に AWS R6a インスタンスに切り替えることでした。私たちはこの目標を上回っており、また、これからも AMD への移行を継続していきます」
持続可能性も、Smurfit Westrock にとって大きな懸案事項です。「私たちはこの自然環境なくしてはやっていけません。当社の目標にとって環境は非常に重要であり、実際 Westrock は、会社全体の目標として炭素排出量を 2025 年までに 30% 削減するという目標を掲げていました」と Bruke 氏は述べています。「AWS には顧客向けのカーボン フットプリント ツールがあります。事業年度が始まって 3 か月が経った時点で、当社の炭素排出量は AMD の大規模展開を開始する前と比べて約 14% 増加していました」。この増加は Smurfit Westrock が成長を続けていることに起因するものです。「今、事業年度の 10 か月目となり、増加はわずか 3.5% ほどです。14% ではありません。サイズの適正化、電力スケジューリング、AMD への切り替え、これらすべてのおかげで、AWS での炭素排出量を約 10% 削減できました」

今後のイノベーションに備えたコスト削減
Burke 氏はこう述べています。「クラウド ワークロードの演算のコスト パフォーマンス比を最大化することが、AMD との連携において当社が求めていた最も重要な点でした。私たちは今年度だけですでに、AMD EPYC プロセッサ搭載のインスタンス タイプを、2 倍以上となる数千個にまで増やしました。当社に 4,000 個以上ある EC2 インスタンスのうち、現在のところ約 1,800 個が AMD EPYC プロセッサを搭載しています。しかし、この作業はここで終わりではありません。私たちは今も精力的に取り組みを進めており、今年度だけでなく来年度以降も、できる限り多くのコスト削減を積み重ねていけるよう努力しています」
「Smurfit Westrock のような大規模な企業では、一番大切なことはコストの削減です」と Burke 氏は述べています。「削減できるコストがあれば、AI/ML といった新たな分野の展開、プラントや製紙工場のハードウェアのアップグレード、エッジでのコンピューティングをサポートする接続性の実現などへの再投資が可能になります。当社のプラントと製紙工場の一部はかなりの遠隔地にあり、多くが森の中にあります。そのため、接続性は極めて重要な要素です。その規模も大きいため、もし出荷できなかった場合、当社は膨大な収入を逃すことになります。エッジでの AI/ML を活用した予測メンテナンスにより、時間、エネルギー、生産性を大幅に節約できるようになります」
Burke 氏はこう続けます。「私たちはまず、新しい EC2 インスタンス向けに AMD を導入し、その後 RDS といった AMD 搭載のその他の AWS サービスも導入する計画です。あの最適なコスト パフォーマンス比を実現できる AMD という選択肢がある限り、当社は間違いなくこれからも AMD を選択します。本当にマイナス面がないのです。もし組織が移行のために 20 分のダウンタイムを許容できるのであれば、その価値はあります。そして削減した資金は時間とともにどんどん増えていくのです。AMD EPYC CPU 搭載のインスタンス タイプを使用することで、当社の AWS 環境で 25% のユニット コスト削減を実現しました。コストを削減したくない人はいないはずです。IT は経費です。パフォーマンスに影響することなくコストを削減できるとしたら、それはウィンウィンです。それらのコスト削減から確保した資金はすべて、イノベーション、環境への取り組み、AI や ML の新たなサービスなどに投資できるのです」

お客様に関する情報
Smurfit Westrock は 2024 年 7 月に Smurfit と Westrock が合併して設立され、紙類および梱包資材を扱う世界最大級の持続可能な企業となりました。統合された事業は 40 か国で展開され、梱包資材への変換処理を行う 500 以上の施設と 62 の製紙工場を保有しています。循環経済を Smurfit Westrock の事業の中核に据え、再生可能、再利用可能、再生された材料を使用して持続可能な梱包資材ソリューションを生み出しています。Smurfit Westrock は、梱包資材に関する複雑な課題を解決する、効率的でスケーラブルなソリューションの創出に力を注いでいます。詳細については、www.smurfitwestrock.com をご覧ください。
