Vitis Hardware in the Loop とは?

AMD Vitis™ Hardware in the Loop (Vitis HIL) は、チップ デザインを実際の開発ボードに直接接続し、処理の遅いソフトウェア シミュレーションを回避して高速でテストを実行できます。テスト データや解析スクリプトは MATLAB® や Python™ 上にそのまま保持され、計算処理のみが実際のシリコン上で実行されます。

ソフトウェアのみのシミュレーションより圧倒的に高速

システム レベルのソフトウェア シミュレーションには、数時間から数日かかることもあります。一方、Vitis HIL はデザインを実際のハードウェア上に実装し、検証をわずか数分で完了します。異なる点は、計算がどこで実行されるかであり、ワークフローを変える必要はありません。

MATLAB® や Python™ をそのまま活用

新しいテストベンチ言語を習得する必要はありません。既存のテスト データやスクリプトをそのまま再利用できます。高速イーサネット経由でデータを送受信するシンプルな API により、その他の追加作業は一切不要です。

最終ハードウェアの完成前に動作を確認

量産用ボードが完成する前に、評価キット上でシステム全体のスループット テストを実行できます。システム統合時の問題を早期に発見し、実環境での動作を確認した上で、安心して製品を市場に投入できます。

AMD Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム

Vitis ソフトウェアは、AI エンジンとプログラマブル ロジックを統合したチップなどのヘテロジニアス デザイン向けに、Vitis HIL フローの構築および実行に必要なツールチェーンを提供します。このプラットフォームは、サブシステムの構成、SD カード イメージの生成、ボードの起動から、ホスト環境とハードウェアを接続する高速イーサネット API までを網羅します。AMD Versal™ AI コア シリーズ (VCK190 評価キット) および Versal AI エッジ シリーズ (VEK280 評価キット) のいずれも、共通の 10 ステップのフローで完全サポートされています。

Vitis HIL は主に、AI エンジンとプログラマブル ロジックを組み合わせたヘテロジニアス デザイン向けに設計されていますが、PL のみのデザインにも同じフローを適用できます。AI エンジンを搭載しない従来の FPGA 開発においても、Vitis HIL を活用することで、ホストベースのテスト環境上でプログラマブル ロジック デザインを同様の 10 ステップの手順で検証できます。

AMD Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームによる Hardware in the Loop

Vitis サブシステムのセットアップから AMD Versal ハードウェア上でのリアルタイム結果検証まで、Vitis HIL フローの一連の動作をご覧ください。このデモでは、MATLAB® や Python™ を使用した各ステップを紹介し、実機シリコン上でのテストがいかに高速かつシンプルであるかを実証します。

Vitis Hardware in the Loop フロー

Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームを使用した Vitis HIL のセットアップは、ハードウェアの準備とテストの実行という 2 つのフェーズに分かれた全 10 ステップで構成されています。

Vitis Hardware in the Loop Flow

セットアップ

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Vitis サブシステムの準備
AI エンジンやプログラマブル ロジックの内容を含めた Vitis サブシステム コンポーネントを構成します。

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SD カード イメージの生成
ビルド コマンドを 1 回実行します。Vitis ソフトウェアがすべてのデバイス構成をまとめ、ブート可能な SD カード イメージを作成します。

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SD カードの書き込み
生成されたイメージを実際の SD カードに書き込みます。開発ボードはこのカードから起動します。

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ボードの起動
SD カードを挿入して開発ボードの電源を入れ、システムの起動およびデザインのコンフィギュレーションを実行します。

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Vitis HIL サーバーの起動
ボード上で Vitis HIL サーバー プロセスを開始します。このサーバーが、ホスト PC から送信されるデータやコマンドの処理を実行します。

テスト

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テスト データの生成
既存のシミュレーションと同様の手順で、MATLAB® または Python™ を使用してテスト用の入力データを作成します。

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ハードウェアへのデータ送信
MATLAB® または Python™ の API を使用し、高速イーサネット インターフェイス経由でボードへデータを送信します。

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ハードウェア上での演算処理
モデルではなく、実際に実装されたチップ デザインを用いて開発ボード上で演算を実行します。

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結果の受信
演算結果がイーサネット経由でボードからホスト システムへ送信され、処理ループが完了します。

10

解析と検証
MATLAB® や Python™ 上で結果を確認します。スループット、精度、およびシステム全体の動作を検証します。

Hackster.io のハンズオン プロジェクトを見る

Adam Taylor が解説する Hackster.io プロジェクト: Vitis HIL の手順

AMD Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームを使用した Vitis HIL フローのハンズオン デモをご覧ください。Adam Taylor による Hackster.io のプロジェクトでは、Vitis サブシステムのセットアップから実機ハードウェア上での最終結果検証に至るまで、すべてのステップを網羅しています。

評価ハードウェア

AMD Vitis HIL フローは 2 種類の Versal 評価キットに対応しています。どちらも同じ 10 ステップで動作するため、用途に合わせて最適なボードを選択してください。

コンフィギュレーション、イメージ生成、サーバー構築、テスト スクリプト (MATLAB®/Python™) は両キットで共通です。コードを書き換えることなくスムーズに別ボードへ移行できます。コードを書き換えることなく一方のボードでプロトタイプを作成し、もう一方へ移行できます。AMD Versal ポートフォリオ全体で高いデザイン移植性を実現します。

必要なソフトウェア、ツール、およびホスト環境

AMD Versal ハードウェア上で完全な Vitis HIL フローを実行するには、次のツールとライセンスが必要です。

AMD Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム
  • バージョン: 2026.1 (またはそれ以降)
  • 追加の AI エンジン ツール ライセンス (ヘテロジニアス AI エンジン + PL デザインに必要)
AMD Vivado エンタープライズまたは Vivado プロ
  • AMD Vivado™ エンタープライズ (永久ライセンス)
  • AMD Vivado プロ (サブスクリプション)
MATLAB® または Python™
  • MATLAB® + DSP System Toolbox
  • Python™ 3 + numpy、scipy、matplotlib

ライセンスのお見積りおよびオプションについては、AMD FAE に問い合わせる

リソース

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