概要

エンベデッド ビジョン システムは、拡張現実、自動車、マシン ビジョン、医療、スマート シティ カメラなどの最先端アプリケーションに搭載される最も重要な部分です。最新のビジョン システムでは、高解像度、高フレーム レート、高ピクセル深度が求められるようになり、データレートとメモリ帯域幅に大きな課題が生じています。AMD は、カメラ センサーのキャプチャとディスプレイをサポートするために、D-PHY、C-PHY、CSI-2 および DSI プロトコル仕様に準拠する高性能かつ低消費電力の MIPI ベース ソリューションを提供しています。また、多くのイメージ センサー アプリケーションに求められる色変換、補正、カラー バランスなどの処理に対応できる幅広い画像信号処理 IP も提供しています。すべてのデザインには固有の要件がありますが、柔軟性に優れた AMD デバイスで設計することで、開発者は要件を満たすだけでなく、ソリューションの差別化を図ることができます。

AMD MIPI IP コア

CSI-2

レシーバー/トランスミッター コントローラー サブシステム

  • MIPI CSI-2 Transmitter 用の 1 ~ 4 D-PHY レーンのサポート
  • MIPI CSI-2 Receiver 用の 1 ~ 4 D-PHY レーンおよび 1 ~ 3 C-PHY レーンのサポート
  • D-PHY では 80 ~ 4500 Mb/s、C-PHY では 400 ~ 4500 Msps のライン レート
  • 複数のデータ型をサポート (RAW、RGB、YUV)
  • 1、2、4、8 ピクセル/クロックをサポート
  • 仮想チャネル (VC) ID に基づくフィルタリング
  • 4K 解像度のイメージャとプロセッサをサポートする AXI4 準拠のインターフェイス
  • 内部 D-PHY/C-PHY により、画像ソースへの直接接続が可能
  • 低リソース数

DSI

レシーバー/トランスミッター コントローラー サブシステム

  • 1 ~ 4 レーンをサポート
  • D-PHY および C-PHY との間の標準 PPI インターフェイス
  • 必要なデータ型をすべてサポート
  • 仮想チャネル (1 ~ 4) をプログラム可能、EoTp の生成をサポート
  • 低電力 (LP) モードおよび超低電力 (ULP) モードの生成
  • マルチレーンの相互運用性
  • パケット ヘッダーの ECC 生成
  • データ バイトの CRC 生成 (オプション)
  • データ フォーマットに基づいたピクセル-バイト変換
  • より多くのレジスタへのアクセスに使用する AXI4-Lite インターフェイス
  • AXI4 準拠で入力ビデオ ストリームに対応

AMD デバイスは、単一リンクから複数リンクまでさまざまな MIPI 構成、異なるデータ レート、異なるデータ型に対応できる上に、単一デバイスに受信用データパスと送信用データパスを混在させることが可能です。また、I/O 数による制限はありますが、優れた拡張性を備えています。C-PHY は、3 つの異なる電圧レベルをサポートするために専用のピン配置が必要であり、最大 3 レーンまで拡張可能です。拡張性を維持した上で ISP アルゴリズムの進化に応じてフィールド アップグレード可能であると共に、ソリューションをさらに高速化および合理化するために、プログラマブル ロジックでの画像信号処理 (ISP) チェーンの統合が可能です。

各種 AMD 製品の MIPI サポート

コスト重視製品ポートフォリオ 高性能デバイス
  • 第 2 世代の Versal™ デバイスは、より広帯域な C-PHY 物理インターフェイスをサポート予定
    • CSI-2 および DSI プロトコルに対応
    • 専用ピン配置を使用して、少ない I/O 数で広帯域幅に対応
    • C-PHY 最大帯域幅 4.5 GS/s (~ 10.28 Gb/s)
  • 高性能デバイスには D-PHY 物理層が内蔵
    • Versal アダプティブ SoC のデータレートは 1 レーンあたり最大 3200 Mb/s (最大 3200 万画素)
    • 第 2 世代の Versal アダプティブ SoC は、最大 4.5 Gb/s の D-PHY データ レートに対応
  • これらのデバイスには、リアルタイム処理、グラフィックス処理、ビデオのエンコード/デコード、波形/パケット処理、機械学習/AI エンジンなどの専用エンジンもあります。
  • 主要デバイス:

アプリケーション

AMD は、コストに最適化された高性能デバイスをベースとする、カメラ センサーのキャプチャと表示用の MIPI ベース ソリューションを提供しており、さまざまな市場でエッジ アプリケーションの実現をサポートします。

オートモーティブ

AMD オートモーティブ ポートフォリオは、ADAS、自動運転、車載インフォテインメント/ドライバー情報、および電気化/ネットワーキングなどの分野で直面する課題を解決します。適応性のあるアーキテクチャは、低レイテンシの演算機能を提供できると同時に、MIPI 規格を含む多様なインターフェイス規格にも対応できます。MIPI プロトコルの新規格がリリースされる場合でも、AMD シリコンは適応性に優れているため、最新インターフェイスに適応するようにシステム設計を変更して、最速のデータ転送に対応できます。AMD は、MIPI アプリケーションにおける I/O 数の削減と帯域幅の向上を実現するために、C-PHY をサポートしています。

産業用機器

スマート シティやスマート リテールでは、クラウドからエッジまでの広範なネットワークを利用する複雑なコンピューティング要件が必要です。AMD の産業機器向けビジョン ソリューションは、低レイテンシで信頼性が高く、性能、電力、コストを最適なバランスで実現するカメラ/画像処理プラットフォームを提供します。AMD 製品には、ヘテロジニアス エンベデッド プロセッシング、I/O の柔軟性、ハードウェア ベースの確定的な制御、およびライフサイクル全体を通して厳しい環境にも対応できる包括的なソリューションがあります。Vitis™ 統合ソフトウェア プラットフォームと Vitis AI 開発環境を利用することで、AMD ハードウェア プラットフォーム上でアクセラレーション アプリケーションや AI 推論を簡単に開発でき、防犯機器メーカーや AI 開発者は拡張性と差別化要素を備えた最新製品をすばやく開発できます。

民生用電子機器

民生用製品には機械学習機能を実装することで、自律性、ユーザー インタラクション、状況認識などの最先端機能を備えることができます。近年、デジタル一眼レフ (DSLR) カメラ、プリンター、ビデオ会議などの従来アプリケーションには、カメラ付きのロボットやドローン、TV、VR ヘッドセット、スマート アプライアンスが導入され始めています。AMD のプラットフォームは、高解像度対応 MIPI インターフェイスをサポートし、機械学習やビデオ圧縮機能と共にさまざまな AV インターフェイスとの接続性を備えることができるため、適応性に優れた低コストのシングルチップ ソリューションを実現できます。このような高機能統合ソリューションは、没入型の民生用ビデオおよびイメージング製品の自律性と分析機能を向上させることができ、革新をもたらします。

航空宇宙 & 防衛

30 年以上の実績とサポート力を誇る AMD は、次世代の地上/航空/宇宙システムを実現するための幅広い製品ポートフォリオを提供します。Zynq™ UltraScale+™ MPSoC デバイスの商用および防衛グレード製品は、MIPI センサーのイメージングおよびコネクティビティ要件に十分応えられる仕様になっています。UAV やロボット開発など、さまざまな用途のプラットフォームを提供しており、ソフトウェア プログラマブルなプラットフォームでデュアル 4Kp60 MIPI 接続をサポートする ZU7EV デバイスを搭載しています。

業務用 A/V および放送機器

会議/コラボレーション、デジタル シネマ、従来型の放送などのあらゆるアプリケーションで、MIPI は、放送局/プロ用ビデオ キャプチャ アプリケーション向けの最新センサー技術をデザインに組み込むことができます。Any-to-Any のメディア接続性、ビデオ コーデック ユニット (VCU) 機能、さらに 8K 対応のさまざまなビデオ処理要素が統合された MIPI IP を利用することで、インテリジェント デジタル サイネージ、4K UHD 放送、機械学習コラボレーション、低ビット レートでの高品質ライブ ストリーミングなどの最先端アプリケーション開発が可能になります。

評価キット

AMD は、D-PHY、CSI-2、および DSI プロトコル仕様をサポートするカメラ センサーのキャプチャと表示用として高性能かつ低消費電力の MIPI ベース ソリューションを提供しています。

利用可能なプラットフォーム

SP701 評価キットは、クラス最高のワットあたり性能を誇る Spartan 7 FPGA を搭載し、産業用ネットワーク、エンベデッド ビジョン、オートモーティブ アプリケーションなどのセンサー フュージョンを必要とする設計向けとなっています。対応するビデオ インターフェイス規格は、MIPI CSI、DSI、および HDMI です。また、多数の I/O ピンを利用できる上に Pmod や FMC コネクタによる I/O の拡張も可能なため、Spartan 7 FPGA ユーザーにとって IP 開発に最適な最大容量のデバイスです。

ZCU102 評価キットでは、オートモーティブ、産業、ビデオ、および通信アプリケーション向けデザインを素早く完成させることが可能です。このキットは、AMD の 16 nm FinFET+ プログラマブル ロジック ファブリックを基盤とし、クワッド コア Arm® Cortex®-A53、デュアル コア Cortex-R5F リアルタイム プロセッサ、および Mali™-400 MP2 グラフィックス プロセッシング ユニットを統合した AMD Zynq™ UltraScale+™ MPSoC を搭載するプラットフォームです。ZCU102 は、広範なアプリケーション開発を可能にするために、主要なペリフェラルとインターフェイスをすべてサポートします。

AMD VCK190 は、Versal™ AI コア シリーズ初の評価キットであり、現在のサーバー クラス CPU と比べて 100 倍以上の演算能力を提供できる AI および DSP エンジンを活用したソリューションの開発を可能にします。豊富な接続オプションと標準化された開発フローでサポートされた VCK190 評価ボードには、Versal AI コア シリーズ VC1902 アダプティブ SoC が搭載され、クラウド、ネットワーク、およびエッジ アプリケーションにポートフォリオ最高の AI 推論性能と信号処理スループットを提供します。

VEK280 評価キットは、AMD Versal™ AI エッジ シリーズの VE2802 デバイスを搭載した最新の評価プラットフォームです。Versal AI エッジ シリーズのデバイスを利用することで、高い演算性能、低レイテンシ、高い統合性を実現する AI エンジン ML アプリケーション開発が可能になります。アダプティブ SoC である Versal AI エッジ シリーズは、拡張性のあるデバイス ポートフォリオを提供しているため、これらを活用してエッジからエンドポイントまでのさまざまなパフォーマンスや電力要件に対応し、最先端のセンサー フュージョンや AI アルゴリズムをすばやく開発できます。VEK280 ボードは評価プラットフォームとして、Versal AI エッジ シリーズをベースとするアプリケーションの評価と開発を主な目的としています。量産用としての使用を意図しておらず、製品の信頼性や量産認定の要件を満たす必要がない場合を想定しています。

VEK385 評価キットには、安全性とセキュリティが強化された単一チップ ソリューションの AMD Versal™ AI エッジ シリーズ Gen 2 2VE3858 アダプティブ SoC が搭載されており、AI を活用するエンベデッド システム全体を高速化できます。このキットには、豊富な接続オプション、開発ツール、サンプル デザインが含まれており、高いセキュリティと信頼性、長期ライフサイクル、安全性重視のアプリケーションをはじめ、幅広いエンベデッド市場でのプロトタイピングを支援します。VEK385 評価ボードは、量産用としての使用を意図しておらず、製品の信頼性や量産認定の要件を満たす必要がない場合を想定しています。注記: VEK385 評価キットは、Versal プライム シリーズ Gen 2 の評価にも推奨されています。

開発を開始

説明 デバイス サポート
Spartan™ 7 FPGA SP701 のアプリケーション例
この例は、MIPI CSI カメラ モジュールで使用される一般的なインターフェイスである PCAM カメラ モジュール (Digilent) に接続された CSI-2 サブシステム IP、およびディスプレイに接続された DSI サブシステム IP を示しています。これらはいずれも MicroBlaze™ ソフト プロセッサで制御され、すべての IP は Vivado™ Design Suite で統合されます。D-PHY は、パッシブ コンポーネントを使用して SP701 評価キットに実装されています。
AMD Spartan 7 FPGA
Zynq UltraScale+ MPSoC ZCU102 および Versal アダプティブ SoC VCK190 のアプリケーション例
このデザインは、Zynq™ UltraScale+™ ZCU102 ボードまたは Versal™ アダプティブ SoC VCK190 ボード上で、MIPI CSI-2 RX (ビデオ データのデコードおよび処理) および MIPI DSI TX サブシステムの使用例を示しています。このシステムは、IMX274 イメージ センサーでキャプチャした画像を受信します。処理された画像は、HDMI モニターまたは MIPI DSI ディスプレイに表示されます。
AMD Zynq UltraScale+ MPSoC
AMD Versal アダプティブ SoC

リソース

MIPI RX C-PHY/D-PHY 製品ガイド (PG435)

AMD の MIPI RX C-PHY/D-PHY コアは、センサーやプロセッサからのビデオやピクセル データを受信するために設計されています。このコアは、MIPI (Mobile Industry Processor Interface) Camera Serial Interface (CSI-2) や Display Serial Interface (DSI) などの上位プロトコルの物理層として使用されます。

MIPI TX C-PHY/D-PHY 製品ガイド (PG436)

MIPI TX C-PHY/D-PHY コアは、カメラおよびディスプレイ インターフェイスで使用されるビデオやピクセル データを伝送することを目的として設計されています。このコアは、Mobile Industry Processor Interface (MIPI) Camera Serial Interface (CSI-2) や Display Serial Interface (DSI) などの上位プロトコルの物理層として使用されます。

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